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▽ ベタ惚れな俺






「マ、マルコっ今日お昼一緒に食べない…?」



どんどん小さな声になりながらメシを誘ってくる***。付き合って大分経つのに少し不安げに遠慮がちに聞いてくるのは、彼女なりの気遣いだろう。


「そうだな、なるべく仕事早めに終わらすよい」


そう言うとさっきまでの不安げな素振りはなくなり嬉しそうな顔をする。「じゃあっ、お昼ね…」と言って去って行く***を見て思わず口角が上がる。
確か告白してきた時も遠慮がちにしてきたなと、昔の事を思い出した。それが俺も歳なのに可愛いと思った。俺にも可愛いと思う感情がまだあったのかと思うとビックリしたんだったな……
1人で笑いながらそんな事を思い出しながら、いつもより書類チェックも気合いが入った気がする。



コンコンッ


「誰だよい…」
「あ、***だけどそろそろお昼どうかなぁって…」


***の言葉に時計を見てみるといい時間だった。もうそんな時間か…


「じゃあ、お昼にするよい」


俺のこんな言葉にも嬉しそうな顔をする***を、横目にメシを食う。お、このパスタうめぇな。クルクル巻きながら食っていると***が「パスタ美味しいね」って言いながら食べている。


「***……口の横にソースついてんぞ」
「え、嘘っ」


慌ててソースを拭こうとする***の手より俺の手のが早くソースを拭き取り、その指を舐めた。


「マ、マル、コ?」
「ん?」
「い、今…」


そう言ってから顔を真っ赤にして俯く***。やることやってるのに、女はこんな事でも照れるのか?そんな事を考え沈黙が続く中メシを食った。食い終わると***は「エースに用事があったから!」と慌てて走り去った。素早い***に思わず笑ってしまった。


ドンドンッ


あれから自分の部屋で書類整理をしていると誰かがドアを叩く音がした………***ではねぇな。こんな下品なノックしねぇからな。


「マルコー!?酒飲もうぜ!!酒!!」
「そうそう、書類なんて後にして飲むぞ」


俺の返事も聞かずドアを開けドカドカと入ってくるエースとサッチ。こいつ等少し酔ってやがるな……まあ、息抜きに丁度いいか、そう思って飲み始めたが本格的に飲んで、気が付けば全員程よく出来上がっていた。


「そう言えばマルコ!昼ん時見たけど***ちゃんと相変わらずラブラブだな」


ニヤニヤしながら聞いてくるサッチ。


「マルコってさ***ちゃんの何処が好きなわけ?」


ニヤニヤしながらも、何気なしに聞いてくるサッチ
。***の何処が好き?そんなもん考えた事なかったな………


「正直、考えた事なかったよい。けど、あいつはいい女だ。仕事優先にしちまう俺に文句も言わず、俺の側に居てくれる。まあ、我慢はだいぶさせてるだろうけどな」


そう言うとさっきまでニヤニヤしていたサッチがいきなりため息をついて酒を飲み出した。


「マルコ……お前のニヤケ面見てたら酒も不味くなるわ」
「はあ?」
「***ちゃんの話をしてる時のお前の顔、すげぇ気持ち悪い」
「…………うるせぇよい…。ま、付き合ってだいぶ経つのに何故かわからねぇが不安げに喋るのは辞めてほしいけどねい」
「………………………マルコの事が好き過ぎて緊張してんだろ」


それまで喋らなかったエースがいきなり口を開く。


「何でお前、機嫌わりぃんだよい」
「別に悪くねぇよ!」


いや、確実に悪いだろ。なに拗ねてるんだ。不機嫌なエースをよそにまたサッチがニヤニヤし出した。



「で、マルコは***ちゃん好きな訳?」
「…………ベタ惚れだよい」





- ベタ惚れな俺 -



マルコ、次の島一緒におりない…?
あー悪いけど今回は無理だ。
……な、んで?どうしても…??
…ちっと用事があるんだよい。どうしても無理だ




(ベタ惚れじゃなきゃ、1人でアクセサリーショップを見に行こうなんて思わねぇよい)





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エース短編の「臆病な俺」のマルコとヒロインの
つもりで書いたんですけど、マルコ難しい…



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