▽ あなただから
「うへー気持ちー」
「………変な声出さないでくれる?」
「***のマッサージ気持ちいいんだからしょうがねぇだろ」
甲板でエースとお昼寝をしていたが、最近お疲れモードだったエースに何となく股がり、腰や肩甲骨、肩とマッサージをしている。
まあ、嬉しそうにしてくれてるから思わず張り切ってるのは内緒だけど。
「俺、なげぇ事***と付き合ってきたけど、付き合って良かったって初めて思ったわ」
「………………………」
「イテテテテテテテテ!おま、グリグリすんな!いてぇ!」
「痛いぐらいが気持ちいいでしょ?」
エースの言葉に思わず肘を立てて肩をグリグリしてやった。
初めてって何よ。これまで結構尽くしてきたつもりなに。
「嘘!冗談!だからグリグリすんなって!」
「………チッ」
舌打ちをしてエースから降りる。
喜んでくれてたからマッサージしてても楽しかったけど、あんな事を言われたら気分も下がる。
そう思い食堂で何か飲んで気分でも落ち着かせようと、その場を立ち去ろうとするとエースに腕を掴まれた。
「んだよ……怒ってんのか?」
「…………別に…」
「フ、怒ってんじゃねぇか」
少し笑うと私の腕を引っ張り軽く抱き締めてきた。
「***、好きだ」
「…………今そんな事言われても嘘っぽい…」
「ほんとだぜ?この少し痛み気味の髪の毛も、小さなニキビでもすぐ分かる白い肌も、少し色っぽいうなじも、小さな胸も、最近少し肉が付いてきた腰も、全て含めて好きだぜ?***。」
そう言って私の髪の毛を少し手に取り、キスをするエース。何だか恥ずかしくなる。
「何か………誉めてくれてるのか貶してるのか分からない……」
「ばーか。どんな***も好きだって事だよ。ま、一番好きなのは笑顔だけどな。」
「………………」
「***が側で笑ってくれてるってだけで、俺ぁ幸せだ」
ニコッと笑顔で言うエースにつられて私まで笑顔になる。
そんなの私だってそうだ。
エースが側で笑ってくれてるだけで、側に居てくれるだけで幸せだもん。
「それにほんとに好きじゃなきゃ、あんな冗談言えねぇよ」
「…………まあ、今回は許してあげる」
「そらどーも」
おどけて笑うエースの頬にチュッと軽くキスをした。
「私もどんなエースも好きよ。例えメタボになってもハゲても」
「……………まあ、なるべくそうならねぇようにするけどよ」
お互い少し笑いながら、キスをした。
エースだから少しの事でも幸せだと感じるの。
- あなただから -
…………あのさー甲板でいちゃつくの辞めてくれねぇ?すげぇ虚しくなるからよ…
わりぃな!サッチ!俺ぁ今、すげぇ幸せ!
一発殴らせろ!今、エース殴っても天罰は食らわねぇ気がする!
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