ACE | ナノ

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「今なんつった?」
「…………だからエースとの関係は辞めるって言ったの」


私の言葉に驚くエース。
私の部屋に来て、いつものように私の服を脱がそうとしたエースに「もうエースとはヤらない」と言った。


「なんでだよ……」
「もう疲れたの…若いの相手するのは体力いるのよ。」
「何だよそれ!」
「いいじゃない。エース、あんた他にも相手居るでしょ?」
「………………………」


黙るって事は居るな…
自分で言っときながら少しショックを受ける。
グッと唇を噛み締め「早く出てって」とエースの背中を押す。出口間際になり、いきなりエースがこちらに振り替える。


「やっぱり納得いかねぇ!***は……俺と居るの嫌だったのか…?疲れてたのか…?」
「………………………」



嫌じゃない。苦しいだけ。
けど何も言えなくて、エースも何も言わない私に腹を立てたのか肩を掴んでくる。その力が強くてビックリしていると部屋の扉が開いた。



「何やってんだよい」
「マルコ…」
「別に。マルコには関係ねぇだろ」
「………それがあるんだよい」


は?と言ってるエースからマルコが私を引き離す。


「***は俺の女になったんだよい。」


何も言わないエースを前にわざとらしくマルコにくっつく。


「……そうなのよ。私も大人の恋愛したいの。マルコは私とエースの関係を知っても理解してくれたし、そろそろ落ち着きたいし」
「………………………」
「だから、もうエースとはヤれない。分かったら出てってくれない?」


うつむくエースの背中を押して部屋から出そうとする。すると今まで見た事のないくらい怒りに満ちた顔をしていた。


「んだよ!大人の恋愛って!恋愛にガキも大人もあんのかよ!!好きな奴に全力でぶつかっていくもんだろ!?」
「…………エース、落ち着けよい」
「落ち着いてられっか!」
「……………なによ。エース、あんたただのセフレでしょ?偉そうな事言わないで 」
「あ?」
「何か変な事言った?ほんとの事でしょ。それに皆が皆、あんたみたいに出来ないのよ」


全力でぶつかる勇気もない癖に、いっちょ前にエースに当たってる自分に嫌気がさす。


「いいから………出てって」


私の言葉に舌打ちをして部屋を出ていくエース。


「ほんとに良かったのかよい」
「………いいのよ、これで。マルコ、後1つのお願いも頼むわ」
「………言っとくが簡単な視察じゃねぇぞ?期間も長くなると思うが………ほんとにいいんだな?」
「えぇ………ここに居る方が辛い」


視察の準備をしようとバックに荷物を積めていると後ろからマルコに抱き締められた。


「……………なに」
「俺は一応***の男って設定だろい。設定だとしても、やっと***と付き合えたと思っていたのに離れなきゃならねぇ俺の気持ちも考えろよい」
「なにそれ……」
「少しは彼氏面させろって事だよい」


そう言って私の頭を撫でながら「我慢するなよい。今ぐれぇ泣け」なんて言うもんだから、涙が溢れてくる。


「何かっこつけてんのよ……ばか」
「惚れてもいいんだぞ」



ありがとう、小さな声で言うのが精一杯だった。


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