▽ I do not notice purposely
「エース、私の事好き?」
「…………………お前またそれかよ。」
私の横で寝そべりながら雑誌を読むエース。チラリと目だけ私の方を見て飽きれながらめんどくさそうに答えている。
「ごめん…」
「……最近それ多くね?」
「…………………」
「ま、別にいいけどよ」
そう言って視線は雑誌に戻る。
私達は付き合って長い。同じ学校、同じクラス。
ほぼ一緒に居て周りからは「ラブラブだね」なんて言われるけど、そうじゃなかったり。
もうエースに「好き」ってどれくらい言われてないだろう…
あれ?最後にキスやセックスしたのっていつだっけ?
思い出せない。
けど、こんな不満は絶対言わない。エースに嫌われたくないから。めんどくさい女だと思われたくないから。
こんな付き合いお互い良くないなんて分かっている。
エースが隣のクラスの子と話している時、私と居るより楽しそうにしているなんて………分かっている。
けど気付いてないフリをするの。
だってエースが好きなんだもん。離れたくないの。
エースはそんな私の行動に気が付いていると思う。けど、エースなりの優しさで気付いてないフリをしてくれている。
と、私は勝手に思っているけど実際は私が嫌気をさして別れを言うのを待っているのかも知れない。
けど絶対別れなんて言わない。
エースの幸せを祈れるほど私は大人じゃない。
他の人にエースを渡したくないの。我が儘?
そんなの分かってる。けど、しょうがないじゃない。
好きなんだもの。
もしかしたら、昔みたいに戻れるかも知れない。
昔みたいに笑ってくれるかも知れない。
だから私はエースの側に居るの。
- I do not notice purposely -
例えエースが昔のように笑わなくても
私はエースの側に居たい。
私の我が儘でエースを縛り付けても
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