ACE | ナノ

▽ 暑苦しいです



私はどっちかって言うと冬が好きだ。
だって夏って熱いし熱いし熱いし熱いし…


「熱ーい!顔溶ける!!化粧取れるっ!!」
「え!…***の顔…溶けるのか!?」
「……例えよ例えよ……」
「なんだ、例えか…!」


ホッとするエース。いつもならこんなエースも可愛いなって思うんだけど、熱い時にこんな事言われるとイラッとするだけで。
わざと言ってるわけでもなく、素で言ってるんだろなと思っていると私の横の席のマルコが一言。


「何馬鹿な発言してんだよい」


マルコも少し飽きれ気味だ。そりゃそうだ。真顔で言うんだもんエース。そんなちょっとお馬鹿な彼氏さんはマルコの事を真顔で見ている。


「マルコの髪型って夏涼しそうだよなっ!」
「なっ………」
「ブッ!!」


あの悪い事を全く知らない子供のような眩しい笑顔で言うエース。思わず吹き出したが、マルコはヒクヒクと口を引きつかせている。案の定マルコに殴られて「いてぇ!」と叫ぶエース。


「いつまで***も笑ってんだよい」
「プッぐふ………ごめん、ツボッた…」


ヒーヒー笑っているとサッチがスキップしながら、こちらへ向かってきた。


「ちょっと皆さん、今度の休み暇?」
「別に用事ないけど??」
「右に同じだよい」
「俺もー!」


私達の言葉を聞き、ニヤニヤしながら「ジャーン!」とあるものを見せてきた。………何かのチケット?


「じゃあさ、プール行かね!?割引券あるんだよなあ!」
「………あれ、サッチ隣のクラスの美女誘うって言ってなかったっけ?」
「ま、フラれたってとこだろい」
「確かそいつマルコの事好きらしいしな」
「え、そうなの?」
「おう!マルコの事聞きたくてサッチに近づいたら勘違いされてるっぽいって前言ってた」
「マルコもってるぅ」
「うるせぇよい!」
「照れてやらぁ!」


アハハーって笑いながらエースとマルコをからかっていたら、サッチが机をドンッと叩いていた。しかもちょっと半泣き。


「お前等なあ……微妙に俺の傷をエグッて放置すんじゃねぇ!!」
「あ、ごめん。つい……」
「ドンマイサッチ!(ニコ)」
「その笑顔が腹立つわ!この野郎!!」


エースの頭をグリグリするサッチ。辞めてあげて!それ以上エースがお馬鹿になったらどうするの!なんて、心の中で思いつつチケットを見る。
………プールねぇ。たまには皆で遊ぶのもいいよね!


「皆で行こうよ!プール!!」
「このメンバーだと俺がゆっくり楽しめねぇよい」
「まあ、マルコが保護者みたいなもんだよな!」


なんて話しているとエース「行かねぇ」とか言い出した。なんで?楽しい事好きじゃん、エース。


「なんで?行こうよ。プール涼しいじゃん」
「……………やだ」
「やだってあんた……じゃあ、エース抜きで行く?」
「それはもっとやだ!!」


この野郎………我が儘言いやがって……
私が苛立っているのが分かったのか「だってよぉ……」と少し言いにくそうに口を開いた。


「***、水着になるだろ?」
「そりゃあ、プールだからね」
「…………あんま他の奴に見られたくねぇ」
「なっ!けどパーカーとか羽織るし……」
「けど!嫌なもんはいやだ!ぜってぇ水着の***可愛いから、他の奴寄ってくる!」


エースが真顔で言うもんだから顔が熱くなる。


「全く暑苦しい奴等だよい」
「あーあ、バカップルなんて無くなればいいんだよ」


マルコとサッチが飽きれ気味で言って教室を出ていった。私が顔を真っ赤にして何も言わないからか、怒ったと思ったみたいでエースが恐る恐る「***?」と声をかけてきた。


「……そんな事言ったら、私だってエースの水着姿見せたくない」
「***〜〜〜 」


ぎゅーぎゅー抱き付いてくるエースが可愛いなって改めて思った。






- 暑苦しいです -




あーもう!暑苦しい!離れてっ!!
何でだよ!いいじゃねぇか!
……………少しだけだからね!



(ほんとバカップルなんて消え去ればいいのに……)
(こりゃあ、プールはサッチと2人か……きついよい…)

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