ACE | ナノ

▽ Happiness get used to your wife



「うわ、この子結婚するんだ」


Facebookを見ながらビックリする。
このカップルも付き合って長かったなあって関心していると、エースがマグカップに私の大好きなミルクティーを入れて持ってきてくれた。


「どうしたー?」
「んー、あのカップルとうとう入籍ってさあ。しかも子供もお腹に居るんだって」
「お、まじかー!あいつ等長かったもんなあ!」


ほいっと言いながら呑気に私と一緒にミルクティーを飲むエース。


………呑気な事言ってさ。私が遠回しに“私も結婚したい”って言ってるの気が付かないのかな?
高校の時からの付き合いで、私とエースも大分長い。お互い社会人になり一緒に暮らす事にして少しは進展するかな?って思って早1年近く。
Facebookを開けば“結婚します”や“○月に子供が産まれます”ラッシュ。
その度に「おめでとー!」ってコメントする自分。私だって皆にいい報告したい!皆におめでとー!って言われたい!


けど、肝心なエースを見ると隣でコメントをしているみたいだ。


「そっかー、こいつ等も親かあ!いいなあ!」
「そうだねぇ。私はいつ親になれるのかなあ…」


少し嫌味を入れて言うとキョトンとしたかと思うとニコーって笑うエース。するとマグカップをテーブルに起き、私の頬や首の当たりに刷りよってくる。


「じゃあさっ、俺等も子供つくろうぜ!俺と***の子供なら絶対可愛い!!」


まさしく猫のように刷りよって言うエースは可愛いな、って思っているといつの間にか押し倒されていた。


「子づくり頑張ろうなあ♪」


めちゃくちゃいい笑顔で言うエースの鼻を摘まむ。


「ばーか。その前にする事あるでしょ」


ぶーっとわざとらしく拗ねるエース。拗ねたいのはこっちだ。このまま、グタグタと続くのかななんて考えつつエースを見ると珍しく何か考えてるようだ。


「どうしたの、エース」
「んーいや………ちょっとなあ」
「………なによ」


言葉を濁しつつ私をチラチラ見ては、うーんと悩みだすエース。すると何か決心したようで、勢いよく寝室に向かった。


……どうしたんだろ。
不思議に思っているとすぐに戻ってきた。


「あのよ…俺、馬鹿だからカッコいい言葉思い付かねぇし***をビックリさせるサプライズみたいな事出来ねぇけどよ……その……なんだ」
「なに……?」
「***……俺の奥さんになってくれねぇか?」
「…………………………へ?」


まさかの言葉に思わず間抜けな声が出てしまった。
え、今プロポーズされたの?私?
いまいち状況が把握出来てなかった私にエースが少しよれた紙を渡してきた。


“婚姻届”と書いてある紙。よくみたら夫の欄は全て記入してあった。


「エース……これ」
「……実は前から***にプロポーズしようと思ってはいたんだが……一緒に居すぎてタイミングが分からなかったというか、勇気がなかったというか……」


ゴニョゴニョと小さな声で言うエースを見て愛しいと思った。今まで少し嫌味を入れて結婚の事を言っていた私。エースはエースなりに考えてくれてたんだ……そう思うと申し訳なくなり「ごめんね」っと言った。


「え…それって俺と結婚しねぇって事か…?」
「え!?あ、ごめん!そうじゃなくて、今までエースに悪い事したなって思って……」
「そうか?***何かしたか?」
「……ほら、嫌味ったらしく結婚結婚って言ってたから……」
「ああ!それは***も俺との結婚考えてくれてんのかーって嬉しかった!」
「そ、そうなの?」
「おう!けど、なかなか言えなかったわ!」


笑顔で言うエースに少し安心していると、急に改まって「あの…それでお返事の方わ…」と不安げに聞いてきたエースに「私で良かったら宜しくお願いします」と言うと痛いくらい抱き締めてくれた。


「今度の日曜、挨拶しに行こう。んで、そのままこの紙出しに行こうぜ!」
「ふふ、急ピッチだね?」
「早く***を奥さんにしてぇからなあ!」


「ばーか」って照れ隠しで言うと嬉しそうに笑っていた。





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これで俺等も夫婦だな!
末永くよろしくね?………旦那さん
………あー***が俺の奥さんとか、すげぇ幸せ!子づくり頑張ろう!幸せな家庭にしような!


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