ACE | ナノ

▽ 分かりにくいです



「エ、エース隊長っ!好きなんですっ…」



甲板で掃除をしているとエース隊長が話しかけて来てくれて、喋っていると思わず出た気持ち。
あまりにもエース隊長が優しい笑顔で笑いかけてくれたから……好きだなあって思っていたら声に出てしまってたらしく、エース隊長の「え?」って声に我に戻ったが、ええい!勢いだ!と思い冒頭へ戻る。


「ほんとか…***…?」
「はいっ…元気でいつも周りの事を考えていてくれて……隊長の笑顔が好きですっ…!」



すると「そっか…」とあの笑顔で微笑んでくれるエース隊長。やっぱりかっこいいな…そんな事を思っているとエース隊長の笑顔が変わった。


「じゃあ、今から***は俺の彼女な」


言ってくれてる言葉は凄い嬉しいのに素直に喜べない。だって…だって…エース隊長の笑顔がいつもの優しい笑顔じゃなくて、ヒニルな笑顔だったんだものっ!!


「色々とよろしくな?***?」
「は……はい……」


ニヤリという効果音が似合う笑顔で手を差し伸べられて恐る恐るその手を握った。



この瞬間から私の大変な日々は始まった…







「はあはあ…エース…たいちょ…………これ…頼まれた朝ご飯です…」
「やっとかよ***!って冷めてんじゃねぇか!!」
「す、すいません…」


________________________ _ _ _ _ _ _



「***ちゃん、今日のおやつはフルーツタルトだよ」
「わあ!私サッチ隊長が作るタルト大好きなんですっ!」
「そう言われると作りがいあるなあ!ちょっと待ってて飲み物持って来てあげるからさっ」
「あ、すいません。ありがとうございますっ!」


ふふ、サッチ隊長のフルーツタルト!


「いっただきまー「旨そうな物あんじゃねぇか」エ、エース隊長っ!?」
「勿論くれるよな?***?ニコ」
「え、でも…私、サッチ隊長のフルーツタルト好「くれるよな?」……………はい、どうぞ…」


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昨日は徹夜で書類をしたせいで睡魔に限界が来ていた。今日は天気もいいし、外でお昼寝でもしようかな


甲板をウロウロしていい日当たりの所を見つけ、そこに座り込み膝にタオルケットをかけ寝ようとした


暖かぁい…すぐ寝れそぉ…


夢の世界へ後一歩って時にエース隊長の大きな声で目が覚めた。


「おい!***!!何寝ようとしてんだ!ポーカーすんぞ!ポーカー!!」
「すいません…寝不足で…寝かせてもらっても……」
「うっせぇ!俺がするつったらするんだ!」
「…………………………はい」









「っていい加減我慢の限界じゃぁぁぁぁぁ!!」


1人、甲板の隅で小さく叫ぶ。いや、エース隊長と付き合えて嬉しいよ!?嬉しかったんだけどさっ!



「エース隊長の我が儘っぷりには限界……」


そう、上の出来事以外にも色々振り回された。彼女って言うよりただのパシりに近い事ばかりさせられてる。
………………別にバカップルみたいになりたい訳ではない。今までみたいなままでいい。出来れば少し、少しだけ甘い雰囲気になれたらな、とは思っていたけど………こんなパシりは嫌だ。



はあ、とため息をついていると目の前にプリンが出てきた。横を見てみるとサッチ隊長がプリンを差し出したくれていた。


「どうしたのよ、***ちゃん。暗い顔して」
「いや、ちょっと……」
「まあ、エースの事でしょ?」


プリンを受け取りながら「ま、まぁ…」と返事をする。するとサッチ隊長が「だろうねぇ!」と大きな声で言いながら、私の頭を撫でてくる。


「あれがエースの本性だからねぇ」
「え、でも付き合う前は凄く優しくて、笑顔もあんなニヤリって感じじゃなくて爽やかだったし…!」
「爽やか!?エースが!?ちょ、***ちゃん冗談キツいよ」


お腹を抱えて笑い出すサッチ隊長。だって、ほんとの事だもん………


「あー、笑った!まあ、***ちゃんと居る時のエースは猫被りすぎて気持ち悪かったからなあ!あいつなりに***ちゃんに好かれたくて必死だったんだろうよ」
「そうなんですかねぇ………」



そうだと嬉しいんだけど………あの我が儘への変わりは何だったんだろ…不思議に思ってサッチ隊長に聞いてみると、また笑い出した。


「あー、あれ?あれは多分ヤキモチとかだろ?」
「ヤキモチ?何でです?」
「この前の朝ご飯の時も俺と***ちゃん喋ってたじゃん?あの時すげぇエース見てたしフルーツタルトの時も***ちゃん俺の作ったの“大好き”って言っていたのも、エース後ろで聞いてたからな」
「え、そうなんですか!?」
「エースはいつも***ちゃんの事を見てるよ。あの後も『俺、料理始めようかな…』ってボソッていってたし」


少し真剣に悩んでて見てて面白かったわって笑いながら言うサッチ隊長。ていうか、さっきから笑いすぎですって。


「…………じゃあ、甲板で寝ようとした時起こされてのも風邪をひくと心配したからですか…?自分で言ってて凄く恥ずかしいのですが……」
「あれは***ちゃんの寝顔を誰にも見せたくなかったみたいだわ」


サッチ隊長の言葉に思わず顔が赤くなる。まさかの答えに照れているとエース隊長の大きな声が聞こえた。


「おい、***!!お前なにサッチと居るんだよ」
「あ、え、いや、たまたまです」
「エースぅ。お前素直になれよ。『俺の相手してくれ』って***ちゃんに言えよ」


サッチ隊長がニヤニヤしながら言うと怒り気味だったエース隊長の顔がみるみる真っ赤になっていく。


「ばっ、そ、そんなんじゃねぇし!!行くぞ***!」




私の手を握って歩き出すエース隊長は耳まで真っ赤でした。




- 分かりにくいです -



エース隊長…愛情表現分かりにくいです…
あいっ!?ち、ちげぇし!
(更に顔赤くしちゃって……可愛い人だな)

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