▽ 3
いつも通り目覚まし時計がなる前に目を覚ます。
体だる …
とりあえず朝、食堂に顔を出さないとサッチが煩いしな…朝ご飯食べる気はないがコーヒーでも飲もうかな…
重たい体を起こして食堂へ向かう。食堂の扉を開けるとナース達が集まってご飯を食べていた。
そっか、あの子達は朝早かったな……
ナース達の横を通りすぎてカウンターになっている席に座ろうとするとナース達の中から「***!」と少し低い声が聞こえた。振り替えるとエースだった。
「***!」
「……何…てか朝っぱらからそんなに大きな声で叫ばないで…頭に響く…」
「あ、わりぃ!つーか何で勝手に居なくなるんだよ」
「………自分の部屋じゃなきゃ、ゆっくり寝れないの」
そうかと納得する後ろで怖い顔をしてるナース達。おーおー、怖い怖い。そんなナース達に気付かずエースが私に話しかける。
「あのさ***!昼にでも一緒にトランプしねぇか!?」
「えーエース、私達とご飯食べる約束してたじゃん!」
「そうだったか?まあ、メシはまた今度な!どうだ?***」
「……………………………やる事あるから辞めとくわ」
私の言葉に拗ねるエース。「また今度しよう」とフォローを入れておくと少し納得した様子。
タイミングが良いのか悪いのか、イゾウに呼ばれたみたいでこの場を離れるエース。あんたの気紛れで私を振り回さないでよ……
「……おばさんが若い子に手出してるなんてねぇ」
「ほんと。身の程を知ればいいのに」
「無理しちゃってねー」
ほら、言わんこっちゃない。エースが居なくなった途端わざとらしく喋るナース達。まあ、いちいち気にしてられないけど……面と向かって言われるとなかなか効くな……
ナース達の言葉を無視してその場を立ち去ろうとすると「これはまた…」と呑気な声が聞こえた。
「女ってのは、ほんと怖いよい」
「マ、マルコ隊長っ!?」
「マルコ…」
呑気に言っているが、うっすら覇気を出しているマルコ。少し肌がピリピリする。そんなマルコを見て気まずかったのか、ナース達がそそくさとその場を離れる。
「余計な事しちまったかよい?」
「……いや、助かった。ありがとう…」
「そりゃあ、良かったよい」
少し沈黙が続く。……何か気まず…
沈黙に耐えられず私もこの場を去ろうとした時、マルコが私を呼んだ。
「***。あんま溜め込むないよい……」
「……何も溜め込んでる事ないけど?」
「そうかよい。余計な事言って悪かったよい」
そう、何も溜め込んでない。あんなの女の世界ではよくある事だ。若い子達の中では特に。
1対1で文句言えば良いのに集団で言ってさ。ほんとめんどくさいのよ、女の世界って。
「…………マルコあのさ、………お願いがあるんだけど」
そう、何もかもめんどくさいのよ
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