ACE | ナノ

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あれからエースの誘いに答えて営んだ。………営んだって言えないか。交尾みたいなもんかな、動物みたいにただ欲を出すだけの行為。


エースより先に起きて、バレないように部屋を出た。


「さむ………」


薄着ってのもあるが何だか肌寒い。早く自分の部屋に戻ろうと少し早あるきで歩いていると廊下に人影が見えた。


「そろそろ冬島に近付いてきたからな、そりゃ寒いよい」
「……………マルコ」


ようと言いながら私の横に来るマルコ。懐から煙草を出し、一服し始めた。


「こんな時間にどうしたのよ」
「書類整理だよい。***はあれか、エースか」
「……………まあ、そんな所」
「若いもんの相手は疲れるだろい?」
「まあ、ね…」


私の答えに笑うマルコ。煙を吐き出したかと思うと少し真面目なトーンで「***」と私を呼んだ。


「いい加減俺の女になれよい。若いもんに合わせるよりオッサンのが気楽だろい?それに俺も、エースに負けず劣らずいい男だと思うんだがな」
「…………さむ。冗談は髪型だけにしてよね」
「………………さみぃのは俺のせいじゃねぇよい。気候のせいだろい」
「いーや、マルコの発言のせいで寒い」


笑い合いながら言い合う。エースに対する気持ちも関係も皆には隠しているが、マルコにだけはバレている。


「ま、俺の所にはいつでも来いよい。***なら大歓迎だ」
「行く予定はないからご安心を」


「つれねぇなあ」と笑いながら自分の部屋へ戻っていくマルコ。行く予定ないってエースとの関係をいつまで続けるつもりなの、私………



これで最後と自分に何度言い聞かせたか。けどヤってる時だけ、エースは私の事を見てくれる。ヤってる時だけ、いつも仲間の事を考えているが私の事だけを考えてくれる。「***…」と切なげに呼んでくれる時、エースに求められてる気がする。



………どんなビッチな考えよ…



歳下相手に余裕もなく振り回されてる自分に嫌気がさしつつ部屋に戻った。


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