ACE | ナノ

▽ ずっとこのままで居たい



「良かったら俺と付き合って下さい…」


ナミに呼び出されてるわよ〜っと言われ顔を何度か見たことある子がそこに居た。
「…………あーごめんなさい。」


私はこの人の事知らないのに、この人は私の何処が良かったんだろう?
そう考えているといきなり
「もしかしていつも一緒に居る男と付き合ってるの……?」っと言い出した。
いつも一緒に居る男?あぁ、エースか。


「私とエースはそんなんじゃないよ」


そうそんなんじゃない。昔は何度かそうなりたいと思った。
ーーーそう昔から片想いしているエースに……


「じゃあ、だったら何で付き合ってくれないの?」


ああ、意外にしつこいなこの人。
少しイライラしていた時声がした。


「あ、***、先生が呼んでたぞ」


そう、エースだ。エースはいつもそうだ。然り気無く助け船を出してくれる。


「気持ちはありがとう。けどほんとごめんなさい。じゃあ、先生に呼ばれてるみたいだから」


それ以上何も言われたくなかったので足早にその場を去る


「ありがとうエース、助かった」
「あ?気にすんな……てかもの好きが世の中にも居るんだな……」


………感謝したの取り消していいかな?


やっぱり私達はこのままのがいいんだ。
小さな時から私が困っていると、いつも助けてくれた。
いつもエースが側にいてくれた。
エースの事を好きになるのは自然だった……


けど告白して拒否られて今みたいに側に居られなくなるのは嫌だ。
幼馴染みでもいい、側に居れたら……


中学生の時告白された人と付き合った。1つ上の先輩だった。
この人ならエース以上に好きになれるかな?って。付き合い出して楽しかったのは楽しかった。けどやっぱり相手からしたらエースが気になるみたいで………付き合い出して1ヶ月なるかならないかの時、エースの事を悪く言われて腹が立って喧嘩になり自然消滅。


それからは誰とも付き合っていない。


もう他の人には逃げない。けど告白する勇気もない。ここままでいいから……


ふと、エースと目があった。
「なんだよ、俺がかっこいいからって見とれるのも分かるけどよ。」
「冗談はそばかすだけにしてください。」
「なっ、なんだよ***!」


頭を拳骨でグリグリされる

「い、痛い!痛いよ!エース!!か弱い子に何するのよ!?」
「か弱い!?か弱い子がルフィと食べ物取り合いするかよ!」
「あれはルフィが私の食べたのが悪い!!」


そう私達はこうやって騒いでるのが一番だ。
我が儘は言わない。今のままでいい。


「……そういえばエース、最近彼女作らないね?」


そう、エースモテる。
整った顔立ちに長身、おまけに皆に平等に優しい。
一時期エースは彼女が居た。コロコロ変わってたけど………
その度に泣いた……私が勇気を出して告白出来ないのが悪い。
けど勇気が出なかった。
もし、付き合えたとして別れたら?今のままでは居られない。
それは嫌だ。それなら苦しい思いをしても側に居たい。


「あーもう逃げるのはやめようかなと……ずっと好きだった奴に振り向いてもらえるように頑張ろうって思ってよ」
「そ…そうなんだ……頑張ってね……」


どこか悲しそうにけど何か決めたような顔をして言うエースの方を見れなかった。



ー ずっとこのままで居たい ー


ずっと好きだった人居たんだ…エース……


(いつかお前に伝えるから…今は遠回しにだけど言わせてくれ ***… )


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