▽ 繋がる心
「「…………」」
沈黙のまま***の手を引っ張りながら裏庭へと来た。真っ赤な顔のまま、目線だけ俺の方を向いていない***。
「***………さっきの話なんだけどよ…」
俺の言葉にビクッとする***。すると顔は赤いものの少し泣きそうな顔に変わっていく。
「エ、エースほんと冗談きついよ。」
もー、顔が熱いよっと手で顔を扇ぎながら全くこっちを見ずに言う。そんな***にムッと来て思わず肩を掴んで壁に押し付けてしまう。
「いっ…」
「あ…すまねぇ……」
痛がる***に少し怯む。けどこのまま流されたら、もう***と喋れなくなりそうな気がする。
「冗談じゃねぇよ……本気なんだよ俺」
俺の言葉にチラッと俺を見る***。眉毛は下がり目には涙が溜まっている。
「う、嘘…」
「…………信じてもらえねぇかも知れねぇ…けど、本気なんだよ。***とキスする前、俺は不特定の奴とキスしたり………それ以上の事もした……けど***とキスをしてから***じゃねぇとダメなんだよ」
何も言わない***の肩を掴む俺の手が震える。すると何か覚悟を決めたように***が喋りだした。
「私も…エースとキスをしてからエースの事が気になっていたの」
***の言葉に思わず、え?と聞き返す。
「キスをしている時のエースが忘れられなかったの……どんどんエースが欲しくなってきたの…」
***の目からポロリと涙が零れた。
「けど自分の気持ちを認めるとエースとの関係が辛くなりそうで……それにエースに気持ちを知られたら気持ち悪がれると思ったの」
「俺、すげぇ嬉しいんだけど?」
不安げに話す***に少しおどけるように言うと***が少し笑った。だけどすぐに不安げな表情に戻った。
「………他の人にキスされそうになってる所を見られて……軽い女だと思われたと思って……」
あの時の事か………***が告白されていた時の事を思い出す。するとポロポロと涙を流したず***
「エースは心配してくれたのにっ………怖くて冷たい態度とったの…ごめんなさい……!」
顔を両手で隠し泣き出す***を力一杯抱き締める
「あの時、俺が助けるの可笑しいんじゃねぇかって思ってよ。あいつと違って俺は***に気持ちを伝えてねぇのにさ……だから今、ちゃんと気持ち伝えさせてくれ。好きだ***。俺と付き合ってくれ」
ようやく俺の方を見た***が不安げに「私でいいの…?」と聞いてくる。そんなの決まってる。
「ばーか。***じゃねぇとダメなんだよ、俺が。」
そう言って***にキスをすると、***が俺を弱々しく抱き締めてくれた。
- 繋がる心 -
すれ違っていた心がやっと繋がった。
その嬉しさで夢中でキスをしていると***に怒られた。
エースっ、ここ学校…!
***相手だと加減できねぇんだよ…我慢しなくてもいいだろ?
…………………………ばか
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