ACE | ナノ

▽ 動揺



違うクラスの男の子に呼び出されてついて行く。いきなり告白されてビックリした。けど、それは断った。
するとさっきまでニコニコしてた男の子の表情が変わった。



「断るって事は好きな奴でもいんの?」
「い…ないよ?」



“好きな奴”って言葉に思わず反応する。エースの顔がすぐ頭に浮かんだが、すぐに消す。惚れているのを認めたら辛いのは自分だ。そんな気持ちを持ったままエースとあの関係を続けれる自信がない。
エースに気持ちを知られたら、気持ち悪がられるかも知れない。
…………もうこんな風に思っている時点で惚れているのかな…



そんな事を考えて居ると男の子に腕を掴まれる。ビックリして男の子の方を見ると顔が近付いて来る。


「や、やめてよ……」
「好きな奴いないんなら、いいじゃん」



やっとの思いで出た否定の言葉もすぐにかき消される。エースの時とは違い触られただけでも鳥肌がたつ。


触って欲しくない。早く離して欲しくて手を振り払おうと覚悟を決めた時、さっきまで私の方を見ていた男の子が違う方を見ている。視線の先を見るとエースが居た。



エ ー ス に 見 ら れ た 。



出来るなら一番見られたくない相手。こんな所見られたら、軽い女だと思われるかも知れない。エースには思われたくない。なのに男の子から離れたいのに体が動かない。
エースに見られたという事に動揺が隠せない。



舌打ちをして去る男の子。私も早くここから離れたい。けど私の足が動くよりも、エースが近寄ってくる方が早い。エースが心配をして声をかけようとしてくれた時、思わずエースの手を振り払ってしまった。




「あ………ごめん………」



これを言うのが精一杯だった。エースの顔も見れず逃げるように去った。





- 動揺 -



もうエースの顔を見れない……


prev / next

[ back to top ]


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -