▽ お兄ちゃんは心配です
「エースー!!」
笑顔で俺の名前を呼ぶ***。歳は俺の1つ下なんだが、俺をほんとの兄のように慕ってくれる。その人懐っこさと可愛らしい見た目でモビーでも人気者だ。その中でも俺になついていてくれているのが自慢だったりする。
俺も何だか昔のルフィを見ているようで、ついつい甘やかしてしまう。
「ねぇねぇエース!何でエースの服は燃えないの??」
……たまにとんでもねぇ事を言うのが傷だけども…
「……急にどうしたんだよ」
「昨日エースが戦ってるの見て思った!ねぇ何で!」
キラキラした目で見てくる***。
「あれだ、気合いだ!気合い!」
「すごーい!エース!凄いね!私も気合いがあれば私もエースみたいになれるかな!?」
頑張るぞーと意気込む***を見て心配になる。この前もサッチの嘘を信じきってたな……。
“エース!サッチのリーゼント割ると小さなフランスパンが沢山出てくるんだって!食べ放題だね!”
………どんな非常食だよ、それ……。けど、この時もキラキラした目で見てくる***が可愛かったりする。ほって置けないし、***の笑顔を見て元気になれるし、その笑顔を絶やさないようにしたいと思っている。
「私、今日からエースと同じ事する!」
そう言って俺の側から離れない***。
単純で純粋な***。サッチや他の奴等の冗談を本気にするような奴だ。俺が守ってやらねぇと。
「***ちゃーん!」
「あ、サッチ!」
意気込んでいるとサッチが***を探していたようだ。
「***ちゃん、いい事教えてあげようか?マルコと同じ髪型にしたらマルコみたいに飛べるようになるんだぜ?」
サッチの冗談を聞いてキラキラした目になる***。あ、やべぇ………
「ほんと?サッチ!!こうしてはいられない!ポニーテールでいいかな!?髪の毛結んでくる!!」
そう言って俺の側から走り去っていく***。腹を抱えて笑うサッチ。
純粋さも度が過ぎると怖いな…走り去っていく***の後ろ姿を見ながら思った。これはルフィより手がかかるな………
- お兄ちゃんは心配です -
……俺が守ってやらねぇと………
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