ACE | ナノ

▽ いつか必ずこの想いを君に




「見てみて!エース!!この人かっこ良くない?」
「…………どこが」
「えーかっこ良いじゃん!何で分かんないかなあ!」
「…いや、そこで分かってもどうなんだ、それ……」


俺に最近お気に入りのアイドルの画像を見せつけてくる***。お馴染みだ。


俺の気も知らねぇで他の男の話ばっかしやがって。
お前が他の男の話をするだけで俺がどんだけ苛ついてるのか教えてやりてぇ…いや、恥ずかしいからいい……


ガキの頃から一緒だった。弟のルフィと3人でよく遊んでいた。
最近じゃあ、高校生の俺達と中学生のルフィじゃお互いやることがあって時間が合わなくなり遊んでいないが…


………ガキの頃から好きだった。
けど一緒に居ることがいつの間にか当たり前になっていた俺達。


このままでも十分かなあって呑気な事を思っていたら中学の時***が先輩に告白され付き合う事になった。
まあ1ヶ月くれぇで別れたみたいだが、その期間の俺はとても苦痛だった。


それまでみてぇに理由もなく***の側に居れなくなった。
***の笑顔が他の男に向けられると思うと苛ついた。


俺の知らねぇ顔を他の男に見せてるんじゃねぇかと思うと……悔しかった……けど、それ以上に今の関係を壊したくない自分が居た。


俺はそこそこモテるみたいでよく告白された。
***よりも好きになれるんじゃねぇか?こんな苦しい思いしなくていいんじゃねぇか?
そんな事を思い告白されては付き合い、やっぱり***と比べて彼女を傷付けては別れ………
こんな事を繰り返していた俺だがやめた。


今すぐには無理だが気持ちを伝えようと決めたからだ。
今の関係が壊れたとしても俺じゃあ***の彼氏になれないとしても***には俺の気持ちを知ってもらいたい………


ー いつか必ずこの想いを君に ー


そいつより俺のがかっこいいだろ
え、エースそれ冗談だよね?
……………



(…言えるかなあ、俺………)


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