ACE | ナノ

▽ 私だけを見て下さい



※ 若干NL要素があります。苦手な方は注意してください。



隊長。私はエース隊長の笑顔が大好きです。エース隊長の笑顔を見ると私まで釣られて笑顔になるんです。
兄弟のルフィくん、サボさんの話をしている時、何かを食べている時、凄く幸せそうな笑顔をするエース隊長。



「エース隊長!今日はスパゲッティを作ってみました!」
「お、今日のも美味そうだな!食っていいか?」
「はい、食べてくださいっ!!」


私がそう言うと凄い勢いで平らげていくエース隊長。美味しそうに食べてくれて私も嬉しかったりする。


「ご馳走さまでした!***、ほんと料理の腕上げたな?最初とか酷かったもんなあ」
「サッチ隊長に特訓してもらいましたからね!」


こうして笑って何気ない会話をするのが私の楽しみだ。私の料理を食べてくれてる時はエース隊長の笑顔を独り占め出来てる気がして嬉しいのも本音。ニコニコとしているとエース隊長が少し懐かしげに言った。


「マキノの料理も美味かったなあ……」



…またマキノさんの話…
そうエース隊長はルフィくんやサボさんの話をよく私にしてくれた。その中で度々出てくる“マキノ”という女性。服を仕立ててくれたり、料理を作ってくれたりしたみたい。
嬉しそうに、けど懐かしげに言うエース隊長を見て気が付いた。“隊長は惚れてたんだ”と。だって私と話している時は見せない笑顔をマキノさんの話をする時だけ見せる。
懐かしそうだけど、どこか切なげに言うエース隊長を見て悔しかった。会った事もない人に、エース隊長も何年も会ってない人相手に嫉妬した。マキノさんより私の方がエース隊長と居る時間は長いはずなのにマキノさんを越えられない。


少しでも私を見てほしくて料理を作れるようになった。マキノさんの料理の味なんて忘れて欲しくて。美味しいと食べてくれるけど、やっぱり越えられない。こうやってマキノさんの話をポツリと言う。


「***?どうした??」
「あ、いや、何でもないですっ」


心配そうに言ってくれるエース隊長にひきつった笑顔で答える。


「何もねぇならいいんだけどよ、***が元気じゃねぇと料理食えねぇしな!!」
「料理目当てですか?隊長?」


「そ、そんなことねぇよ?」って少し慌てながら言うエース隊長に笑ってしまった。クスクスと笑って居るとエース隊長がいつもの笑顔で言った。


「***の料理食うのが今、一番の楽しみだからなあ!」


嬉しいはずなのに素直に喜べない。「ありがとうございます…」と小さな声で答えるのが精一杯だった。



- 私だけを見て下さい -



いつになったら私だけを見てくれますか?
私の勝手な恋だけど、
他の人の話をしている笑顔の貴方を見ると
私は苦しいです。


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