ACE | ナノ

▽ 電話越しの表情



家でゴロゴロしていると着信音。誰だろうと見てみると“エース”の文字。珍しいなと思いつつ電話に出る。



「もしもーし?どしたのー?」
『もしもし?今時間大丈夫か?』
「大丈夫だよー!エースが電話って珍しいね?急用?」




エースと付き合い初めてもう1年近くになる。クラスも同じでいつも一緒に居る為、連絡も必要最低限しか取らなくなった。学校に行けば一緒だしね。



『んー何か***の声が聞きたくてよ』
「…………何、浮気かなにかしたの?」
『何で電話したら浮気した事になんだよ!!』
「冗談!冗談!!珍しかったからつい」


お互い電話越しで笑う。うん、久々に電話っていいな。


それから他愛ない話をした。
ルフィが肉を喉に詰まらせた、とか。私の夜ご飯はシチューだったよ、とか。サッチフラれたんだってとか。



「サッチは付き合っても無いのに愛を囁きすぎなんだよ。だから気持ち悪がられてフラれるのに」
『それサッチに言うなよ?あいつフラれた後すげぇめんどくせぇんだからな』



これ以上うざったくなられるのは困ると言う言葉に笑った。まあ、想像できるけど。毎回フラれたのを励ますのにエースとマルコが餌食になる。その度にエースを取られて面白くないっては秘密だけど。



『***ー?』
「んーどうしたの?眠たくなった??」
『愛してんぞぉ』



いきなりのエースの言葉にビックリ……もせず、今のエースの表情が想像できる為笑う。



『なんだよ……せっかく言ったのに』
「ふふ、今エースしてやったりの顔してるでしょ?」
『…し、してねぇよ?』
「嘘。絶対言ったら私が喜ぶと思ってニヤニヤしながら言ったでしょ?」
『……何で分かったんだよっ。つーか***は喜ばねぇの?』
「そりゃあ、長いことエースと付き合ってないよー?声で分かるもん。あ、私も愛してるよ?」
『ついでみたいに言うなよなあ…てか***のが俺の事分かってるみてぇで何か悔しい』



よく言うよ。私が辛い事あって隠してても、エースはすぐに分かる癖に。私が寝不足で隈をメイクで隠していた時も、朝の正座占いで順位が良くて機嫌がいい時も。



「エース、ほんと愛してるよ。ずっと私の傍に居てね?」
『…おう。あたりめぇだ。***も俺から離れんな』





- 電話越しの表情 -



どうかエースに顔が赤いのがバレませんように


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