▽ その顔は反則だろ
ポカポカでいい天気だ。まあ、私の気分はよろしくないんですが。朝から皆にチラチラ見られる。分かっている。何で見られているか。問題は教室に入ってからだ。エースの奴が特に笑いそうだな。
「おはよー」
「おはよ……い」
「おはよー***ちゃ…ん?」
「うーす。なあ、***昨日のあのバラエティー見……………え、***?」
「……何よ。皆のアイドル***じゃん。」
まあ、私を見て驚いている3人。そりゃあ、そうだ。花粉対策用メガネに、マスク姿だから。
「おめぇ、変質者じゃねぇか!!」
ケラケラと笑いながら私を見るエースに思わず蹴りを入れる。全く効いてないみたいだけど。
「お前よくその格好で学校来れたよい…」
「まあ、校門でクザン先生に笑われたけどね」
「あーあの先生なら笑いそうだわ」
「いや、ほんといい格好だな***」
明らかに笑いを答えて言うエースにイラつきを覚える。花粉症の辛さ知ればいいのに。あぁ、目が痒くなってくる。
「あーもうこの時期は家から出たくない!花粉症とか無くなればいいのに!!木燃やしてやろうかな…」
「いや、そりゃあダメだろい」
「だってさあ!鼻水止まらないし、目痒いし!!あんた等全くなの?腹立つ!!」
「完璧な八つ当たりじゃねぇかよ」
サッチが落ち着けと飴をくれる。何で飴とか持ってんの、このフランスパン。気持ち悪い。
「声に出てるからね!?***ちゃん!優しくしたのに何で気持ち悪がられてるの俺!!」
「まあ、サッチだからじゃねぇかよい」
マルコとサッチが騒ぎ出す。と、言ってもサッチが騒いで暴れてるのをマルコが避けているだけだけど。花粉飛ぶからあんまりはしゃがないでよ。そう思って居るとさっきまで静かにしていたエースと目が合う。
「なによ、エース」
「(***の顔が見れねぇのはつまんねぇな)……どうせ薬飲んでんだろ?外しても大丈夫だろ」
「あ、馬鹿っ」
そう言ってメガネとマスクを取るエース。マスクを取られた瞬間、それまで何とか耐えてたくしゃみが止まらなくなる。
「くちゅんっ。ばっ馬鹿エース!くちゅんっ。返して!!」
エースを見た瞬間、エースに顔を反らされる。何よこいつ。感じ悪い。
「………やっぱりこれ付けとけ。つーか付けといて下さい」
「え、鼻水垂れてた!?てかエースが取らない限り付けてるわよ!!」
メガネとマスクを受け取り付ける。するとエースがホッとしていた。ホッとするのはこっちだよ。この季節にメガネとマスクがないのが、どんなに辛いか分かって欲しい。
ブツブツと1人で何か言ってるエースは、ほっといて授業の準備しよ
- その顔は反則だろ -
(目ぇ潤んでるし、鼻赤ぇし!危なかった…俺の息子、よく耐えた……!!)
あれ、***ちゃんエースどうしたの?
何か1人でブツブツ言って気持ち悪いから放置する事にした。
(……エースは単純だからねい)
prev /
next