▽ Happy Valentine!
今日も気持ちよく昼寝をしていると、何だか周りがうるせぇ。「やめろ、***っ」って声聞こえて思わず起き上がる。***が暴れてんのか?目を開けた瞬間ビビった。
クルー達が顔面チョコだらけ。
「なにしてんだよ、おめぇ等……」
「エース!!助けてくれっ!」
チョコまみれのサッチが駆け寄ってくる。これが女なら少し興奮するのにって考える俺。てか、サッチ。あんま近づくな。チョコ付くじゃねぇか。
「サッチ離れろ!チョコ付くじゃねぇか。」
「どうせ、お前も***の餌食になるんだから、いいじゃねぇか!っていうか***どうにかしてくれ!!」
「あ、エース!やっと起きたあ?」
呑気にそう言いながら近寄ってくる***。手にはチョコパイ。***の後ろを見てみると見事にやられたクルー達。
「これ、お前がやったのか?***………」
「うん!なかなか面白いでしょ!?」
いや、おもしれぇのはお前だけだろ。他の奴等チョコまみれだそ。泣いてる奴も居るぞ。何したんだよ、お前。
「つーか何で顔面チョコパイなんだよ」
「どうせ皆、ナースちゃん達から貰うでしょ?可愛いのを可愛らしく渡されるんでしょ。なら、私はお笑い担当!みたいな?」
「そんなのいいから普通に渡してくれよ!」とサッチが俺の後ろから言う。いや、だから離れろよ。チョコ付くだろ。
そう思っていると***が、ニコニコとこっちを見ている。すげぇ嫌な予感がする。
「***……まさか俺にもするつもりじゃねぇだろうな………」
「えー?ふふふ。ぐへへ。」
変な笑い声を言いながら近寄ってくる。正直気持ち悪ぃ。後ろに逃げようにもサッチが押してくる。
「お前も同じ目にあえ!エース!!」
「ふざけんな!どけ!サッチ!」
ギャーギャー言い合っている間も***が近寄ってくる。***が目の前に来た時思わず目を瞑る。
「はい、エース!」
チョコパイが来ない代わりに***の声がした。おそるおそる目を開けてみると、***がニコニコと袋を差し出している。可愛らしい袋を。
一瞬わからなくて、***とその袋を交互に見る。
「なに?はいっ!」
「お、おう……さんきゅ………」
「ちょっと!何でエースだけそれなの!まさか本命な訳!!」
サッチの“本命”って言葉に思わず顔が熱くなる。
「もーサッチも後でちゃんとしたのあげるって!これはナースちゃん達と作ったから味もだいじょーぶ!!」
なんだ………皆と一緒かよ………。
ガッカリしていると***が今日一番の笑みで「エースのは特別に中身違うんだからねっ」ってこそっと言うもんだからときめいた。
- Happy Valentine! -
(あの一言で貴方に私の気持ちが届きますように)
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