▽ (10/10)
あれからエースとリリーはすぐ別れた。頬を真っ赤にしてエースが私に「別れた」と言いにきた。リリーも「一発殴ったから、もういいわよ」とサッパリした答えだったらしい。
廊下でリリーと鉢合わせした時気まずくてどうしようかと迷っていた時、リリーが近寄ってきて何か言われるかと思ったら
「実はエースね?いつもあなたの話してたのよ?」
そう言って「お幸せに」と笑顔で言われて私もつられて笑った。
それからエースとは順調だ。やっぱり2人になると恥ずかしくてギクシャクしてしまうけど、その度にエースが微笑んで傍に居てくれる。そのおかげで少しずつだけど2人の時でも話せるようになった。
サボにも付き合う事になったと、また報告すると嬉しそうにしてた。
「サボ……ほんと色々ありがとうね?」
「俺は何もしてねぇよ?それに***とフリだとしても付き合えたしな!エースが嫌になったら、いつでも俺ん所来い」
サボの言葉につい笑っているとエースに抱き締められられる。いきなりの事で顔が熱くなる。
「言っとくけどな、サボ!!もう俺は***から離れねぇからな。残念だったなあ?」
「ちょ、エース!?恥ずかしいから離して!」
「嫌だ。***は俺のだ。絶対サボには渡さん」
「…………………」
「おーおー。お熱い事で」
エースの言葉にどう反応していいか分からない。あれ?前付き合ってた時こんなんじゃなかったよね?
「言っとくけど***。お前サボとのキス初めてだったみてぇだな……。だから他の***の初めては俺が全部貰うからな……!」
「うわっ、エースやらしぃな!お前!」
「ちょっと今かっこつけてんだよ!黙ってろよサボ!」
「たく、***?やっぱり俺にしとけって。な?」
「どっか行けよ!サボ!!」
エースとサボのやり取りに笑ってしまう。私も前みたいな私じゃダメだ。少しずつでも変わらないと
「わ、私エースが好きだよ………大丈夫」
どんどん小さくなる私の声。けどエースは嬉しそうに強く抱き締めてくる。
今度は私がエースを幸せにするんだ。私こそ絶対にエースを離さない……。
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