▽ (09/10)
廊下で2人の怒鳴り声が聞こえて思わず廊下に出る。けど2人は笑ってるし………とりあえず声をかける
「サ、サボ?エース?何か凄い怒鳴り声聞こえたんだけど…」
そう言うとサボが近寄ってきて頭を撫でてくる。え、何!?
「***、俺はお前を幸せにするつったよな?」
「………………うん」
悲しそうに言うサボに私はあの時何も言えなかった。何でこの人を好きにならなかったんだろうと、狡い考えもした……
「だから、俺が***を幸せにする為にするのはここまでな?エースの奴に渇入れといてやったからよ!ごめんな?俺の我が儘でフリなんてさせて…けど***が好きなのは嘘じゃねぇから……」
サボの言葉に泣けてくる。サボの我が儘じゃない。私が甘えてただけだ。そう言いたくても涙で言えない。サボが笑いながら頭をくしゃくしゃと撫でる。するとパシッて音がしてサボの手がエースに払われる。
「もういいだろ…?サボ……」
「おう!まあ、後は頑張れよ?あぁ、後…」
「……………!!覚えとけよ、サボ…」
エースに、耳打ちをして去るサボ。エースと目が合うけど、やっぱり気まずい。すぐ反らしてしまう。
「***……」
「な、なに?」
久々のエースとの会話にどうしていいか分からない。あれ、前どんな風に喋ってた?
「サボに言われるまで気付かねぇとかダセェけどよ…俺、***の事好きなんだよ。サボと付き合ってるって知って嫌だったし、キスしてんの見て腹立った…」
ボロボロと涙が溢れてくる。頷く事しか出来ない
「なあ、こんな俺だけどよ……また俺と付き合ってくんねぇか?今度は絶対幸せにするから」
もうエースの顔なんて涙で見えない。何も言えなくて泣いてる私を笑ってるエース。
「ぐずっ……夢じゃないよね……?」
「あぁ、夢じゃねぇよ。だからもう泣くな」
そう言ってエースに抱き締められると嬉しくて泣き止めなかった
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