▽ 確信犯
女の嫉妬とは何て醜いんだろう。気持ちを伝えてもない癖に嫉妬はしっかりする私はもっと醜い。
「おっ!お前相変わらず乳でけぇな!揉ませろよ。いいだろ?」
「もー、エース隊長ってば。また今度ね♪」
「今夜でもいいからな!」
ほんと下らない…………。朝からナースと話すエース。まあ、あの見た目と性格だ。モテる。ナースは勿論、島に着けば島の娼婦達…。島を出る時いつもキスマークが付いてる。しかも見える所に。
私には手の届かない存在なのは分かっている。けど見ているだけで幸せなんて可愛い事言えない。ほんとは、私だけに優しくして欲しい。私だけに笑顔を見せて欲しい……けど気持ちを言う勇気もない。
「何怖い顔してんだよい」
「………別に…」
チラッと私が見ていた方を見るマルコ
「あぁ、エースか。お前もいい加減好きだって言えば良いじゃねぇか」
「それが出来てたらとっくにしてるわよ」
“そりゃそうだ”って笑うマルコを軽く睨む
「まあまあ、そう怒んなよい。そろそろ島に着くみてぇだが***どうする?買い物あんなら付き合うよい」
「んー、ちょっと1人でブラブラするわ。お気遣いありがとう」
少し嫌味を入れて言うとマルコに頭をぐしゃぐしゃと撫でられた。
「ちょっ、私撫でられるような歳じゃない!」
「俺から見たらまだまだガキだよい。1人で行くのは良いけど気を付けろよい」
ってマルコに言われてたのになあ…。今この状況マルコに見られたら怒られるだろうなあ…
「おい、聞いてんのか女」
「怖くて何も言えねぇんじゃねぇか?白ひげの一味つっても女だしなあ?」
ゾロゾロゾロゾロと………10人居るか居ないかくらいか…?ニタニタと気分の悪い視線を浴びる。街に出掛けてなかなかいい買い物もでき、日が暮れる前に船に戻ろうと少し近道で人気の少ない所に入った途端これだ。
「まあ、大人しく俺達に付いてきたら悪い事しねぇよ」
そう言って私に触ろうとする男の腕をへし折る。
「あ"ぁぁぁぁぁぁ!腕折りやがったこの女!!」
「さっきから女、女って…白ひげの名、背負ってんだナメんなよ」
1人、2人と倒す。後何人?と少し気を許した時後ろから捕まれる。
「!?」
「はあ…はあ…やっと捕まえた。よくも仲間やってくれたな、覚悟しろよ!!」
そう言われて首筋にナイフが当てられた。一か八か動こうとした時
「火拳!!!」
「ぐぅあぁぁぁぁぁ!」
さっきまで私の後ろに居た男が燃えてる。男の後ろを見るとエースが居た。私と目が合うとエースの体の炎が増した。
「てめぇ等生きて帰れると思うなよ」
そう言うと私が倒した男共々、エースの炎によってやられた。
「おい***!大丈夫か!?」
「………あ、うん。大丈夫だけど…何でエース居んの…?」
確か街に出掛けた時、私とエースは逆方向に歩いてた筈だ。そもそも何でこんな所に?いつもなら夜遅くまで帰って来ないのに
「***が人気の少ない道行くの見えてよ。しかも***の後ろに男達居るし嫌な予感して来てみたんだけどよ!何もされてないか?」
“俺野性的勘すげぇからなあ!”って笑いながら言うエース。すると私の首を見て顔が変わる。
「おい、首から血ぃ出てるけど***大丈夫か?」
「血?あぁ、多分さっき少しナイフで切ったかも」
大丈夫と言おうとした時、首に生暖かい感触がする。ふと見てみるとエースが私の首を舐めてる…ってかエースのどアップ!!!
「ちょ、エース!?」
「しょーどくっ」
爽やかに笑うエース……こうやって女落としてんのか?こいつ…
「お前今、失礼な事考えてんだろ…?言っとくけど俺こんな事他の奴にしねぇから」
「いや……けどキスマークよく付けてるじゃん」
「あれは向こうが勝手に付けてくるだけだ!それにキスマークあると***嫉妬してくれるだろ?」
………………は!?エースの言葉に唖然。するとエースが、また顔を近付けてきて耳元で言う。
「ナースとのやり取りもキスマークも全部わざと。***が嫉妬する姿が可愛くてつい」
その言葉に少し腹が立ったがエースの首飾りを引っ張り私も耳元で言う。
「好きよ。エース、覚悟しなさいよ?」
2人で笑い合ってまた街へと向かう。今までモヤモヤさせられた分、たんと奢ってもらおう
- 確信犯 -
言っとくけど、これから今までみたいな事したらすぐ別れるからね
ばーか、もうしねぇよ。俺は前から***だけだ!
…………いや、結構楽しんでなかった…??
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