▽ (05/10)
「あー…ちっと***追いかけてくるわ」
そう言って鞄を手にするサボ。まだビックリして何も言えないルフィ。
「おい、サボ…ちょっと待てよ」
「なんだよ、エース?」
「お前…***の事泣かすなよ」
「……………………………それお前が言うか?」
「はあ?」
「……まあ、いいわ。じゃあ、明日な」
そう言って出ていくサボ。何だよ最後の言葉。むしゃくしゃして、ルフィを殴った。
「おい!おいっ!***!!」
サボの呼び掛けを無視して走る。けど運動神経のいいサボに勝てるはずもなく腕を掴まれる。
「おい!***!!どうしたんだよ、いきなり」
「…………………」
「??***??」
「いきなりはサボじゃん…」
さっきのキス。しかもエースの前で……
「エースの前で何でしたのよ…!!」
恥ずかしさと訳の分からなさで泣けてくる。泣いていると、今まで聞いた事のない声のトーンで喋り出すサボ
「エースの前じゃなかったらしてもいいのか!?」
「やっ…」
またキスをするサボ。しかも逃げられないように両手を捕まれて。サボを見るといつもの優しい顔をしてない…“男の人”の顔をしたサボが居た。
「もう俺も限界なんだよ…***……」
「……サ…ボ…?」
「俺だって***と同じなんだよ。***が幸せならそれでいいと思ってた。エースと付き合って幸せなら、俺はそれでいいって。」
そう言うと抱き締めてくるサボ
「一目惚れだったんだよ…エースに紹介された時に惚れて…けど***がエースに惚れてるのはすぐ分かった。俺は見守ろうって思った。けどエースと別れてからのお前を見ると辛かったんだよ…」
抱き締める力が強くなる
「エースを諦めたい気持ちが少しでもあるんだろ?俺を利用すればいい……だから、もう少しだけ付き合ってるフリをしてくれ……」
サボの悲しそうな声を聞くと私はただ黙って頷く事しか出来なかった。
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