▽ たとえあの笑顔が見れなくても
※ 死ネタです。少しグロい表現があります。
エースと親父が死んだ。
私もエースを助け出したかったが、冷静な判断が出来ねぇ奴は待ってろと親父に言われた。
けど戦争から帰ってきたのはマルコ達だけだった。親父は?エースは?どこかで分かってたんだが信じられなくて聞いたら皆泣きながら「死んだ」と。
それでも信じられなくて2人のお墓を目の前にしても信じられなくて。でも泣いてる自分が居て、あぁちゃんと頭では分かってるんだ。心がついてきてないのかって。
他のクルー達も辛いのに頑張って前へ進んでいるのに私だけ進めない。エースが居ないこの世界を生きていく勇気がない。どんどん薄れてゆくエースの温もり、薫り、声………けど薄れないものがあった。エースの笑顔だけが鮮明に覚えている。
いっその事それも記憶から薄れていけば良かったのに……
エースの最後の言葉を聞いて笑ってしまった。人一倍、他人を思いやるエース。けど人一倍、他人からどう思われてたか気になってたエース。
ねぇ?エース。見てる?貴方や親父を失ってこんなにも悲しんでる人が居るの。貴方はこんなにも愛されていたのよ?勿論私も愛してる。誰よりも。だからごめんなさい。私は貴方が居ないこの世界で生きていく勇気がないの。だから…………
思いっきりナイフをお腹に刺す。自分のお腹から出る沢山の血を見て「エースの炎のようだ」と思えたら不思議と痛みはなかった。
- たとえあの笑顔が見れなくても -
貴方の悲しむ顔しか見れなくても
それでも私は貴方の傍に居たいの。
貴方の居ない世界で生きていけない
弱い私をどうか許して
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