ACE | ナノ

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「おい、***!!お前ちゃんと食ってんのか?ガリガリじゃねぇか!」


甲板の掃除をしていたら急に体が浮かんだ。ビックリして後ろを見ると、プラーンと小さな子を高い高いするかのように私を持ち上げるエース隊長。いや、こんな甲板で何してくれてるんですか隊長。クルー達笑ってるじゃないですか。


「エース隊長!下ろして下さいぃ!」


足をバタバタして抵抗するがエース隊長には敵わず。私が恥ずかしがっているのに気付いたのかニヤニヤしている。悪い予感しかしない。


「ほーら、***ちゃん。高い高ーい」


そう言って回り出すエース隊長。しかも加減全くなし。全力で回りやがる。


「出る!出る!エース隊長!ゲロ出るぅぅぅぅぅ」





「いやー今日も仲がいいよい。うちん所の末っ子達わ」
「いやー和むねぇ。俺も混ざってこようかな♪」
「辞めとけよい。エースは***気に入っているからな。触ったらあいつ怒るぞ」


「マルコ隊長!そんな冷静な事言ってないで助けて下さいぃぃぃぃ」
「ほーれ***!楽しいかあ??」
「楽しくないですぅぅぅ」


やっとの思いで下ろしてもらった。ほんとゲロ出かけたよ…


「もう!毎回毎回なんなんですか!チビに対する嫌がらせですか!エース隊長!!」
「いやー***ってからかうと面白いからよ!」


ほんとこの人は正直者だな、うん…


ここ最近こんな嫌がらせばかりだ。
いきなり体を掴まれる。腕とかならまだしも、この前はウエストを掴まれて怒ったら今日は高い高いだ。
ご飯を食べている時も「もっと食え」と言って私のお皿に山盛りに料理を盛り付ける。
いや、これは嫌がらせじゃないのは分かっている。私が背が小さい事を気にしているのを知ってから沢山食べるようにいい始めたし…
けど、限度があるでしょう!!エース隊長じゃないんだからそんなに食べれないし!!


「たくっ、だからって嫌がらせばっかりしないで下さい!怒りますよ!!」
「まあまあ、***ちゃん。エースもまだまだガキだからよ、好きな子には意地悪したくなるんだよ」
「ばっ、サッチ!!!」


「エース隊長が私を?あり得ないですよ!」


私の言葉にさっきまで笑っていたクルー達も黙りこちらを見ている。え?私何か変な事要った??


「え、***ちゃん…冗談だよね…?」
「***は鈍いと思っていたが、ここまでとはビックリだよい…」



え?何。何でそんなあきれ顔で見るの?



「エース!まあ、そんなに気ぃ落とすなよ!」
「半笑いで言うなよサッチ…」
「まあ、なんせ***だからな…」




「「「はあ……………」」」


ちょ、隊長達もクルー達もため息とか何!!

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