▽ 貴方の産まれに貴方との出会いに感謝
※ 長編ヒロインです
宴の盛り上がりもピークを過ぎ静かになりつつ今回の主役を探す。
「***ちゃん!ほんとにこっちにエースいる訳?」
「私の野性的勘舐めないで!!サッチよりかは優れてるから!」
「俺の勘は女には凄いけど男には全くなの!」
さっきまでクルー達と甲板で飲んでたのを見たのに見つからない。辺りを見渡しても見つからないのでクルーに聞いてみる。
「ねぇ、エース知らない?」
「エースなら日付変わる前にどっか行ったぞ」
えぇー。日付変わる前とか狙ってるでしょ!
とぼとぼ歩いていると甲板の端で大きな体を小さくして木箱の後ろに隠れるように座っているエースを見つけた。
「なにしてるのエース」
「……………」
まだ隠れてるつもりか………
「エース!!探したんだからね!」
今度は近づいて声をかける。少し嫌そうな顔をしてこっちを見るエース。
「……なんだよ…」
「なんだよじゃないよ!誕生日のお祝いしたくてさがしてたの!!」
そう言うと一瞬こっちを見てまた嫌そうな顔をするエース。
「………誰もめでてぇとは思わねぇよ、俺の誕生日なんか…」
「……………」
何も言わない私にエースは泣きそうな顔をしながら続けて言う。
「だって悪魔の子の誕生だぜ?誰がそんなの嬉しいんだよ…」
パシッ
乾いた音が甲板に響く。私がエースの頬を叩いた音だ
「何泣きそうな顔しながら言ってんのよ……自分自身が1番そう思いたくないんでしょ?……これは親父様にしか言っていないけど、私の世界でエースと親父様は頂上決戦の時死んだのよ…」
私の言葉に驚くエース。何も言わないエースに私は続けて全てを話した。
「エース…貴方が死んで皆悲しんだんだよ?ルフィに助けられた時もっと皆の愛を知って欲しかった。“愛されてる”ってもっと…知って欲しかった…」
あの時の気持ちが込み上げ泣く私。
「だから私がこの世界に来てエースに出会えた時凄く嬉しかったんだよ?大好きな人に会えたんだもん…お願いだからそんなこと言わないで…白ひげの皆も私と一緒の事を思っている…だから自分の事をそんな風に思わないで…!!」
「………***…」
涙を拭きエースの腕を掴み歩き出す私。言葉では伝わらないかも知れない…エース自身に見て感じてもらおう………
「おい、***!!どこに行くんだよ!?」
「食堂。いいからついてきて?」
食堂につき、扉を開ける。食堂の中を見るエースはビックリしているみたいだ。それもそうだ。大きなケーキにクルー達皆、親父様まで居るもんだから。
「何してんだよ、皆…」
「何ってエースの誕生日を皆で祝うんだよ!!」
「そこで半べそかいてる女が企画したんだよい。エースに誕生日喜んで欲しくてサッチと二人でそのでっかいケーキも作ってな」
「ちょ、言わないでよ!マルコ!!!」
「あー***照れてるの?可愛いー」
「ふっ」
私達のやり取りを見て吹き出すエース。
「エース、皆エースの事大好きなんだよ?産まれてきてくれて嬉しいの。出会えて嬉しいの。だからもうあんな事思わないで?」
「………ああ。俺も***や親父。クルー達と出会えて良かった…」
エースの言葉に皆も笑顔になる。
「グラララララ。エース!!主役のお前ぇがそこに居たら宴が始まらねぇ!!早くこっち来い!」
親父様の言葉に宴が始まる。クルー達と楽しそうにお酒を飲んだりプレゼントを貰い照れながら嬉しそうにするエースを見て安心する。するとエースはキョロキョロし始め私と目が合った途端、こちらに近づいてくる。
「***」
「は、はい」
ずいっと目の前に来られ迫力に少しビビる
「***、ほんとありがとう。こんなに嬉しい誕生日初めてだ。」
「ふふ、それは良かった。けどごめんなさい。ケーキ作るのに必死になってたらプレゼント買う時間なくて…」
「プレゼントなんか要らねぇよ!!***がこれからも祝ってくれるならそれでいい…」
そう言うとキスをするエース。そんなの言われなくてもそのつもりだ。
「改めて誕生日おめでとうエース。私と出会ってくれてありがとう!これから先も私に誕生日お祝いさせて?」
そう言い私からもキスをするといつもの笑顔になるエース。やっぱりエースは笑顔が一番だ。
ー 貴方の産まれに貴方との出会いに感謝 ー
なあ、***!ひっ久々にヤらねぇ「グー…」
……まさかのこーゆー落ちかよ………
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