ACE | ナノ

▽ 予行練習



「ふ、ふ、ふ、」
「なーにニヤニヤしてんだよ」
「そうゆうエースだってしてんじゃん!」
「……うるせー」


お互いがニヤニヤしながらダンボールから荷物を取り出す。
そう、エースの「もう同棲しね?」という何気ない一言から同棲をする事になった。


不安な事もあるけど、それ以上に一緒に居られる時間が増えるって事が純粋に嬉しかった。
これまでお泊まりはした事あるが、エースの部屋に自分の物がダンボールから出される度に「同棲するんだ」と実感する。



「***、」
「んー?どうしたの?」
「これからさ、大変な事もあると思うが2人で頑張ろうな!単純かも知んねぇけど、***と一緒なら頑張れる気がするわ!」
「……そうだね。これからは今まで以上に支え合っていこうね」


笑顔で言ってくれるエースにつられて自分の気持ちを伝える。
こうやって真っ直ぐに気持ちを伝えてくれるエースが好きだなって思いつつ同棲ってだけなのに気合い入ってるな。


そんなエースが何だか可愛くてふふ、と笑っていると「あーそうそう、」と何か思い出したみたいでこちらを見てきた。


「俺、軽い気持ちで同棲するつもりじゃねぇから。***との結婚生活の練習のつもりだから」


なんてサラリと言うもんだから「ありがと」と変な返しをしてしまった。
そっか…結婚か……確かに今までエースと結婚出来たらいいなとは思っていたけど、口には出さないでいた。自分だけ意識してあるのかなって思うと何だか恥ずかしかったから。


エースも結婚の事考えてくれてるんだ……
例え少しでも、その事が嬉しくてエースの大きな背中に突進のように抱き付いた。


「エース…大好き……」
「それ、正面から言ってくれたらすげぇ萌える」
「恥ずかしいからイヤ」


なんて言ってギューっと抱き付くがエースに腕をスルリと離された。するとエースが私と向かい合うように座り、その座ったエースの膝の上に私を乗せてきた。


「もう1回さっきの言葉言ってみ?」
「………恥ずかしいからイヤだって…」
「じゃあ、言うまでこのままな」


子供がイタズラをする時みたいな笑顔で言うエース。
私がほんとに恥ずかしがっているのなんて、しっかり気がついて居るのに気づかないフリをしている。
ましてや、私のおでこに自分のおでこをくっ付け「言ってみ?」とニヤリとしながら言うエース。


「これ……私が言うまでこのまま?」
「あたりめぇだろ?俺、***にちゃんと目を見て言って貰いてぇもん」


ニヤニヤしながら言うエースだが、こうなったらほんとに私が言うまでエースならしかねない。
何気に“エースの膝の上に向かい合って股がる”という、この格好もなかなか恥ずかしいから覚悟を決める事にした。


「エース、大好き…」


言った途端自分の顔が熱くなるのが分かるが、満足そうにしているエースを見ると満更でもない自分がいた。






- 予行練習 -




あー、たまんねぇ。早速一発ヤらねぇか!!?
エース………ムードぶち壊し……


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