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▽ 俺の過ちを許さないでくれ




「は?先生結婚すんのか?」
「まあね。あ、ここ違ってるわよ」


ペンでトントンと、俺の補習プリントを指す***。
歳も近く感情的にならないタイプの先生。クールビューティーとかで***は生徒の人気者で、男からもまあ人気だ。ま、俺も内心いいなとは思っていたんだけど。


まさか結婚するなんて、つーか男が居た事自体にビックリだ。そんな素振り全くなかったから。


「男居るなんて聞いてねぇ」
「何で生徒に言わなくちゃいけないのよ。」


……そりゃ、そうだな。***に言われて少し納得するものの、やっぱり気に食わねぇ。
何気無しに「先生って男っ気ねぇよな」って言った数分前の俺を殴りてぇ。まさかの解答だったが。


「てか先生ってエッチん時ってどーなんの」
「……何馬鹿な事言ってんの。早くここの問題解きなさいよ。」
「いいじゃねぇか。結構自分からいくタイプか?」
「ポートガスくん、貴方真面目に補習受けないなら単位あげないわよ」


いきなりの下ネタも照れるとかせず、いつものように返してくる***に少し舌打ちをしつつもプリントを進めていると、シャツの胸元からチラリと何かが見えた。


「先生首になんか付けてんの?」
「え?……ああ、指輪を仕事中はネックレスにしてつけてるだけよ」
「ふーん」


チェーンをたどって見てみると可愛らしい指輪がぶら下がっていた。


「………なんか先生っぽいな」
「………………」


俺の言葉に返事はなく、怒ったのかと思い大人しくプリントを進めようにした時、チラリと***の顔を見ると頬を少し赤くして嬉しそうな顔をしていた。


「あの人もそう思って買ってくれたのかしら…」


ボソリと嬉しそうに言う***の顔を見て、俺の中の何かが切れた。


何嬉しそうな顔してんだよ
何幸せそうな顔してんだよ


「先生」
「?プリント終わっ………」


嬉しそうに指輪を見ていた***の顔を持ち上げ間髪言わせずキスをした。***に抵抗する隙もなく口を犯してやる。
クチュクチュと俺の舌が***の口を犯す度にやらしい音がする度に止められなくなる。


「ハア、ハア…ポ、ポートガスくっ…」


口を離した時***が抵抗してきたが、またすぐにキスをして出来ないようにする。俺を押そうとする細い腕を掴み思う存分犯す。存分に犯しきって口を離す。


「へぇ、先生ってそーゆー顔すんだな」


目に涙を溜め、顔を真っ赤にして肩で息をする***の口元を指で引き取る。


「涎垂らすほど気持ち良かったか?」


ニヤリと笑い***の涎を拭き取った指をペロリと舐める。
バッと俺から目をそらし口元をシャツでゴシゴシと拭いていた***が、キッと睨んできたかたと思うとパンッと軽い音がした。


「最低ね…………もう補習は終わりでいいわ」


そう言って俺を見ずに教室から出ていく***。
扉が閉まる音がするのと同時に机に伏せる。


「何やってんだよ……」


後悔が込み上げてくる。
けど、自分が何を言っても表情を崩さなかった奴が少し指輪の話をしただけで、すぐ崩したのが腹が立った。
“彼氏の前だけ”ってやつが気に食わなかった。


だからってあれはねぇよな………
いきなりキスする、つーか先生に手ぇ出すのはダメだよな




その日から自然と***の事を避けるようになった。
気まずさと申し訳なさで、どう接していいか俺自身が分からねぇ。けど1ヶ月後、結婚するから先生を辞めるって皆に報告してきた***はいつも通りの表情だったが幸せそうだった。


特に話さず俺と***はさよならをした。
***が辞めた次の日、提出していたノートが返ってきて伏せんが貼ってあった。
よく見ると***の字で「今回の事は多目に見ます。けど軽い気持ちであんな事をして女の子を傷付けないように。」と綺麗な字で書かれていた。






- 俺の過ちを許さないでくれ -




軽い気持ちで出来るほど、俺は器用じゃねぇんだ。
けど最後の最後で優しくすんなよ…
余計惚れちまうじゃねぇか……




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ナニコレ(笑)

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