▽ ヘタレくんと男前ちゃん 2
ブルブルブル、ブルブルブル
いきなり私の枕元に居た小電伝虫が鳴り出す。
夜中でもあったし、何より眠たいから無視しようとしたが一向に鳴り止む気配はない。
ブルブルブル、ガチャ
「………………………誰」
『***……?』
電伝虫からは弱々しいエースの声が。
「…………………何」
『あのよ、今から***の部屋行ってもいいか』
「は?何でよ。つーか寝るから切るよ?」
『ああ!切るな!切らないで!!』
小電伝虫が泣きながらこちらを見てくる。
「で?何でよ」
『いや、あのよ、クルー達と怖い話してたら寝れなくなってよ。***ん所で寝てもいいか?』
「却下。てか何でそんな話したのよ」
『ノリ?頼むよ!』
「あんたみたいなデカイ奴、私の部屋に入りません」
『大丈夫!床でいいからよっ!』
「大丈夫とかの問題じゃないわよ。マルコん所行きなさい」
ガチャと受話器を起き、また寝ようと目を閉じる。
ふぅー、と息を吐きウトウトとしているとドンドンドンッとうるさい音がドアからしてきた。
何か凄い嫌な予感が……
これも無視していると小さな声で「***っ」とエースの声が。
ドアを少しだけ開けて「何」って冷たく言うと、勢いよくドアを開けられた。
「一緒に寝にきた!」
なんて凄くいい笑顔で言うエースにイラッとしお腹にパンチを入れるものの、全く効いてない様子。
だって普通に部屋に入って、自分の部屋から持ってきたであろう、枕と布団を敷き始めた。
こいつ……寝る気だな…
もうこうなったら何を言ってもエースは聞かないのを知っている
「はあ……日が昇る前に出てってよ?誰かに見られたら、めんどくさくなるから」
「了解!了解!」
兎に角寝たいし、これ以上何を言っても無駄だから目を閉じる。またウトウトしていると今度は体がグラグラと揺れる。
地震…?目を少し擦りながら振り替えると涙目のエース。
「な、い、う!!」
「は?」
「ベットの下!何か居たっ!!」
そう言って涙目のまま私のベットによじ登ってくる。
「ちょ、何ベットに来るのよ」
「だってよ!何かと目があった!!」
「気のせいでしょ!?」
「そんな事ねぇって!ぜってぇ居た!!」
そう言ってベットから降りる気配のないエースに「じゃあ、あんたここで寝たら?私下で寝るから」と言って寝ようとすると凄い勢いでベットに戻された
「馬鹿野郎。女が床で寝るんじゃねぇ!」
「……………だったらエース床で寝る事になるわよ?」
「うっ、」
私の言葉に少し考え込むエース。
少しすると、何か思い付いたみたいだ
「いっしょに寝ようぜ!そうしたら俺も怖くねぇし、***もベットで寝れるだろ!?」
なんて笑顔で言いやがった。
こいつ馬鹿だと改めて思ったのは言うまでもない。
- ヘタレくんと男前ちゃん -
あんた……………
ん?どーした?
いや、なんもない……
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