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あれからと言うもの、私が牢獄へ姿を出す度ポートガス・D・エースは私に話しかけるようになった。
「なあ、いい加減お前の名前教えろよー」
「何で私があんたに教えないといけないのよ」
冷たくいい放つとチッと舌打ちをしていた。
舌打ちをしたいのはこっちだ。今日も苛々しながらも、脱獄をしようとしていないかのチェックをしていた。
いくら無限地獄とはいえ、何が起こるか分からない。
何もない事に安心し、牢獄から出ようとした時奴が弟の話をし出した。
何か安心したように、けど少し嬉しそうに話す奴を見て兄と被った。
“***!見ろ!1つ階級が上がったんだ!”
“え、お兄ちゃん凄い!私も頑張らなきゃ!”
あんなに嬉しそうに話してた兄と。
すると奴に「どーした?」と声をかけられて気が付いた。自分が泣いている事に。
「何かつれぇ事でもあんのか?」
「ないわ」
「けど、お前泣いてんじゃ「うるさいっ」
私の言葉にビックリしているポートガスとジンベエ。気まずくなりさっさと牢獄から出た。
憎んでた奴に何心配されてるのよ…!自分自身に腹を立てながら残りの仕事を片付ける事にした。
あの日から2日たった日、ガープ中将が奴と話していた。
血が、親父がって難しい話していたが、いまいち理解できずどうしていいか迷っているとガープ中将が私に気が付いた。
「おお!***じゃないか、どうした」
「あ、いや!お疲れ様です!ガープ中将!!」
「んな改まった挨拶なんかしなくていい!」
「ふーん、お前***って言うのか」
「……………気安く呼ばないでくれる?」
「いいじゃねぇか!***な!」
「だから呼ばないでって言ってるでしょ。馴れ馴れしい」
「俺は少しでも***と話してぇから仕方がねぇだろ?」
「私は喋りたくないから」
「まあまあ、気にすんなっ!」
ニカッと笑って言う奴にイラッてしていると、ガープ中将が豪快な笑いをしていた。
「***がここまで感情的に話すのを久々に見たわい。兄の前ではよく感情を出す子じゃったな、確か」
「ん?***の兄貴も海兵なのか?」
平然と言う奴に呆然とした。
そりゃそうだ。奴からしたらいちいち海軍の事を覚えていられないだろう。大将とかじゃない限り。
分かっている。分かっているのだが悔しさが込み上げてくる。
「………約1年前、あんたが沈めた海軍船に兄が乗っていたわ。その時の怪我が原因で海兵は続けれなくなったわ。」
「………………………………………」
私の言葉を聞き、一瞬目を見開き視線を反らして「それはすまなかった」と小さな声で言うポートガス。まさか謝ってくれるとは思っていなかったから少しビックリするも、謝られて兄が海兵に戻れる訳ではない。
「だから私はあんたが、ここに来て嬉しくて仕方がないわ。ずっと憎んでた相手ですもの。」
これが私の本音。
謝ってきたから許せるほど、私の心は広くないの。
ガープ中将に「失礼します」と言い、その場から離れた。
明日にでもボア・ハンコックがインペルダウンに着き、七武海の面々が集まる。そしたら奴の処刑まで後少しだ。
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