15万打感謝企画 | ナノ
 
※ 同棲設定です。


さっきから何度も時計を見ているのは自分でも分かっている。時計を見る度に顔が険しくなり周りの奴等から怖がられてるのも分かっている。
だが肝心の今日をどうにかしねぇと意味がねぇんだよい!

「マルコさん…顔怖すぎて新人泣きそうッス…」
「うっせぇ!!気が散る!!勝手に泣かせとけよい」

後輩の言葉より目の前の仕事だ。いつも以上の早さでパソコンを打ち書類を仕上げていく。その書類を上司に叩きつけるかのように提出し、タイムカードを切る。急いで自分の車に乗り込み、いつもの道を走り家へと向かう。だたいつもより時間がかかっているような気がし、焦って仕方がない。いつもは30分程度でつく道のりが何時間もかかっているようだが、実際はいつも通りの時間。事前に予約をしていたケーキ屋に立ち寄り、ケーキを受け取りまた、車を走らせる。普段ならさみぃさみぃと言いながら帰っているが、今日は汗だくになりながら帰る。

たく、1月なのに何でこんな思いしなきゃならねぇんだよい……いや、うちん所のお姫様が関係しているんだかた仕方がねぇんだがよ。

最近チラチラと何か言いたげに俺の事を見ていたのは気づいていたし、何でそうしてんのかも分かっていた。お姫様…***の誕生日だ。普段、仕事でデートをすっぽかしても文句も言わねぇ***だが、誕生日はやはり別らしい。だが、俺の仕事が忙しいのを分かっているせいかなかなか言い出しはせず当日をむかえた。

流石の俺も彼女の誕生日くれぇは祝ってやりてぇ。普段我慢させている分そう思うものの、予定通りにはなかなかいかねぇ。柄にもなく計画立てたりしていたのに当日は予定が狂いに狂いグダグダ。約束の時間も1時間も遅れるという失態。

さっき連絡を入れたものの、***からの返事はねぇ。流石に今日は怒るわな……。自分から「今日は早く帰る」と言って家を出てきたのに連絡なしで遅刻はそりゃあ、俺でも腹立つ。ケーキと車に隠しておいたプレゼントを手に持ち、鍵を開ける。恐る恐るドアを開けるが、いつも出迎えてくれる***の姿は見えず静かだ。その静かさが、これまた怖くゴクリと息を飲む。

心臓が変に煩くなり、変な汗まで出始める。いや大丈夫だろうと、意味の分からない根拠に居間のドアを開けると***の姿が見えない。キョロキョロと見渡すとソファの上に丸い物体がある。よく見ると薄い毛布にくるまっている***の姿。

………これはやはり声をかけるべきだよな…。
少し嫌な…不安な気持ちがあるものの***の肩であろう所をポンポンと軽く叩くと、クルリと不満そうな目でこっちを見てくる。

「よ、よお…!」
「遅い。」
「わりぃ……」
「マルコが早く帰れるって言ったのに…」

ブスっと一言言い、すぐにそっぽを向いてしまった。その一言に何も言えねぇし、なにより普段ここまで怒らない為どうしていいのか分からない。どうしたものかと考えていると、ある物が目にはいった。
ソファの前のテーブルだ。小さいケーキ、頑張って作ったであろう料理が並べられていた。俺が言った一言を信じて頑張って作ったんだな、そう思うと罪悪感が生まれる。

頭まで被られた毛布をとり優しく***の頭を撫でる。俺の手が触れた瞬間ビクリとしていたが、何事も無かったように振る舞う彼女が可愛く見え抱き締める。俺が普段そんな事を滅多にしない為、さっきは何事も無かったように振る舞えた彼女も慌て出す。

「悪かったよい…。機嫌直してくれねぇか?」
「……いや、私も自分の誕生日って言ってないし…。ごめんね?勝手に舞い上がって拗ねて…」
「いや、俺がわりぃよい」
「…………」
「どうした?」

急に黙る彼女が不思議でそう聞くと、漸くしっかりと目が合った。言いにくそうな表情見せる彼女に、思い出したかのようにプレゼントと買ってきたケーキを差し出す。

「ケーキ2個も食えて良かったな、」
「え、マルコ誕生日って知ってたの…?」
「まーな。」
「……プレゼント開けていい?」

遠慮をしながら言う***に「あぁ」と返事をすると、少し笑みを浮かべながらプレゼントの包装紙を丁寧にはがしていく。細長い箱を開けると、***の目が輝いている。嬉しそうな顔でこっちを見ているが言葉にならねぇのか、プレゼントの箱と俺を交互に見ている。

「なんだ。気に入らなかったか?一応***の誕生石が使われてるの選んだんだが……」
「………マルコの癖にベタだね」
「生憎、女にプレゼントなんてお前が初めてなもんでね。悪かったな、ベタで」
「ふふ、拗ねた?嘘だよ、ありがとうね」

やっといつもの笑顔に戻った***が俺に抱きついてくる。グダグダになっちまったが、結果的には良かったな……。




- いつも我慢させて悪い -



何こっち見てんだ。気合入れてケーキ食えよ。***しかこんなあめぇの食えねぇんだからよい。
んーわかってるよ。
じゃあ、なんだよ。
いや…マルコ今日珍しく素直に謝ってくれるし…まさか誕生日祝ってくれると思わなかった。
うるせぇよい……。
けど私の月の誕生石ってなんか暗い色だから、あまりなあ…
なんだプレゼントにケチつける気か?
そ、そんなんじゃないよ!!!
***、1月の誕生石の意味知らねぇのか?“     ”っていう意味だ。
なっ……!!
なに顔を赤くしてんだよい
………うるさい。マルコもキャラに似合わない事するんだね
安心しろ、こんな事お前の誕生日くれぇしかしねぇよい



“変わらぬ愛の忠誠”

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