15万打感謝企画 | ナノ

※ 三兄弟と仲良しの貴族設定。
エース、サボ、ヒロインは17歳くらいの海に出る前設定。




産まれて初めて好きな人ができた。
その人との出会いは奇跡で、その人と付き合えたのは本当に奇跡だと思う。

お勉強、習い事の毎日、普段の生活の中でも言葉遣い、立ち振る舞い、周りからの目は厳しく見張られている感覚。

そんな中唯一の楽しみのショッピング中に出会った彼等。
彼等の笑顔を見た瞬間、つまらない毎日に光が射したような感覚がおきた。3人の中で一番笑顔に惹かれた彼、エースさんが私のお付き合いしている人。

自由に外へ行かない私の為にルフィさん、サボさん、エースさんが身体を張って私に会いに来てくれる。危ないから辞めて欲しい反面、会いに来てくれるのが嬉しくて私達だけの合図を外に居る彼等へ伝える。

綺麗に咲いているお花を花瓶に入れ、外から見えるように窓側にそっと置いておく。これが私達の秘密のサイン。

早く来ないかなとワクワクしながら読書をしているとドンドンと彼等が来てくれた合図が。
窓を開けるとルフィさんが頑張って腕を伸ばしていた。ドアを叩くのはルフィさんの役目。

ニタァと笑うルフィさんを見て若干嫌な予感がして、急いで枕やクッションを窓から直線上の壁に並べていくと、そこ目掛けて飛んでくる。

大きな音がしないか不安だったけど、流石エースさんとサボさん。2人が上手く着地をしたおかげで大きな音もせず皆無事に着地をした。

「イシシ。***見たか!?いい伸びだった!!!」
「ちょっとは後の事も考えて行動しろっ!」
「***ちゃんごめんね?毎回こんな感じで」

申し訳なさそうに話すサボさんに、顔を横に振りながら答えるとルフィさんが怒り気味のエースさんを無視して私に向かって走って来てくれている。

「***ー!!!誕生日おめでとー!!」

目の前で止まったかと思ったら、どこから出したのか袋から沢山のツヅジを天井に向けて投げる。
いつもの部屋もルフィさんの行動によって違う世界に来たみたいな感覚になっていると、1つのツヅジを差し出される。

「これ吸うとスゲーあめぇんだ」
そう言いつつすでに10個くらい加えているルフィさんからツヅジを1つ受け取り吸ってみる。

「凄い…!甘い…」
「シシ、だろ?」
「ハイハイ、あんま***ちゃんに変な事教えんなよ?ルフィ。」

そう言いつつルフィさんの頭を、くしゃくしゃと優しく撫でるサボさんを見ているとフと目が合い微笑んでくれる。釣られて私も思わず笑っていると目の前に綺麗な花束が。

「魅力的な***ちゃんにはこれを」
「わあ…」
「ブーケンビリアって言うんだってさ」

鮮やかなピンクに小さな白い花が可愛くて思わず見とれていると、少しムスッとしたエースさんがサボさんを押しのけていた。

「おめぇ等俺より目立つ事してんじゃねぇよ。」
「おやおや、エースくんは不機嫌ですか?」
「え、エースさん怒ってるの……?」
「あ?いや、……怒ってねぇよ!怒ってねぇけど……」
「??」

何か言いたげなのに、言葉を濁すエースさんを不思議に思っていると横でサボさんがクスクスと笑いを堪えている。

「***ちゃん、またルフィと遊びに来るね。後は……エースが素敵な誕生日にしてくれると思うから」
「うっせーぞサボ!!!」

慌てるエースさんにお構いなしに笑顔で手を振り、ルフィさんに腕を伸ばさせて2人は塀の外へ行ってしまった。さっきまで騒がしかった部屋が急に静かになる。
心なしかエースさんがこっちを見てくれない気がする。

寂しくなり、少しでもいいからこっち見てくれないかな?と思っていたら、エースさんの服の裾を思わず掴んでいた。
私の行動にエースさんもビックリしたのか、驚いた表情で私を見ていて恥ずかしくなって手を放すと、エースさんのゴツゴツした手が私の手を包み込む。

「***……そのなんだ…誕生日おめでとうな」
「……ありがとうございます…」

変な沈黙はあるものの、エースさんの温かい手が私の手を包んでくれている。
嬉しくて目を閉じ幸せだなあっと実感していると、ポンポンと優しく頭を撫でられる。そんな事されたの初めてだったからビックリして目を開けると頭に何かが乗っている感覚が。

「…俺はサボみてぇにキザったらしい事も、気のきいた事も言えねぇけど……これから先も***の誕生日を祝っていきてぇと思ってる。」

頬を赤らめながら言いてくれるエースさんの瞳に映る自分が小さいながらも見えた。そこにはお花の冠が。部屋にある鏡を見てみると、同じ紫の色でも形が異なるお花で作られた少し不格好の冠。

「これエースさんの手作り??」
「……本当はもっといいモンやりたかったんだけど…***にグレイ・ターミナルで拾ったモンや盗んだモンを、やりたくなくて悩んでたらサボが花なら沢山あんだろって言うからよ、……作った。***の誕生花の中から俺の気持ちに合ったヤツ見つけて。」
「ありがとうございます…今まで貰ったプレゼントの中で一番嬉しいです」
「キキョウとペチュニア……花言葉は…内緒」
「教えてくれてもいいのに…」

鏡で冠を見ていると、エースさんと鏡越しに目が合う。
さっきまで頬を赤らめていた筈のエースさんがニヤリと笑いチュッと軽いリップ音と共に唇に柔らかい感触が。

「いつまで自分の彼氏相手に敬語で喋ってんだよ」
「へ!?……その…」
「ほれ、エースって言ってみ?」
「………ありがとう……エース」

恥ずかしくて小さな声でしか言えなかったけど、それでもエースには聞こえてたみたいで嬉しそうに笑っていた。


- 私も同じ気持ち -


つまらない毎日だったのに
貴方と出会って毎日が楽しいの
これからも傍に居て


ツツジ…愛の喜び
ブーケンビリア…あなたは魅力的
キキョウ…変わらぬ心
ペチュニア…あなたと一緒なら自然と心が安らぐ

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