私がトリップしたい世界と違う!! | ナノ

▽ 別の世界に行かせろ!



前回までのあらすじ。
銀魂の世界ではなく、ワンピースの世界にトリップしちゃいました!てっへ



「じゃねぇぇぇぇぇ!!!」
「***、うるせぇぞ。騒いでねぇで、手を動かせ手を」
「うるせぇ!!今それどころじゃねぇんだよ!!」


そう、それどころじゃない!!サボと2人、呑気に新聞整理してる場合じゃないんだって。トリップ出来た事は凄いと思う。だけど何故にワンピース!?私は銀さんに会いたかったのに……。こんな人工パーマ野郎じゃなく、天然物のアノふわふわした髪の毛を触りたかったのに……そして銀さんに気怠そうに「触るな」とか言われてキュンキュンしたかったのに…
どこをどう間違えたのか人工パ…サボと作業をしにゃきゃならんのだ全く。


「はあ…銀魂と大違い…海って…」


私がボソリと呟くとゴホンと咳払いをするサボ。かすかに頬を赤くしている。



「あの……***…。女がそんなハレンチな事を…言うのはどうかと思うぞ…?」
「それはキン○マだろうが。私が言ってるはぎ、ん、た、ま!!」
「バッ!大声でキン○マはダメだろ!!」
「あんたも言ってんじゃん」
「俺は男だからいいんだ!!てかもうイイから手を動かせ!!」


へいへいと適当に返事をする。ブツブツなにかを言いながら新聞を切り取っているサボ。
実際、サボと一緒に居るというのを条件に結構好き勝手させて貰っている。
色々拘束されないのは有難いが、1つ聞きたい。この作業はなんなんだ。


「ねぇ、これなんなの」
「は?見ての通りだ!ルフィ切り取り集を作ってんだろ?」
「いや、ドヤ顔で言われても引くもんは引くから」


そうドヤ顔で見せてきた少しボロいアルバムには、私にも分かるワンピースの主人公モンキー・D・ルフィの記事の切り抜き達。大きな記事は勿論、読むのが精一杯なくらい小さな記事までビッシリと貼られている。


「あ、この記事はな!ルフィの活躍が事細かく書いてあってよ!!で、こっちの記事の写真の写りは一番格好良く写っててさあ!!」
「…………」


ヘラヘラと言うか……なんて言うの?親バカかって言いたいくらいペラペラペラペラとルフィの話をしているサボを見て反応をするのも嫌になりそうだ。
だが、無言の私に期待をしているような目で見てくる。そんな目で見られても反応する気ないからね?絶対めんどくさいじゃん。これ。
けど一向に私から目をそらさないサボに少し気まずさを感じ「そ、そうだね」と当たり障りのない返事をした。けどそれも直ぐに後悔した。期待をしている目がより一層キラキラと輝かせてドンッと古いアルバムが2冊、机に増えた。どこから出したのか聞きたい。切実に。


「だろ?だろ?最初に出た手配書も観賞用、保存用、実用用と取ってあるんだぜ?だけどルフィの奴、金額が上がりやがるからその度に手配書集めなきゃいけねぇんだけど、兄としては嬉しい限りって言うかよー」
「あはは……大変だねぇ…」


止まりそうにない弟談義に嫌気がさし、目に入った日めくりカレンダーをちぎりまくった。銀さん、やっぱりあなたに会いたいです、切実に。







- 別の世界に行かせろ! -





***!?いきなりどうした!?
うっさい!!私はこんな所じゃなくて別の世界に行くんだぁぁあ!!めくってやる……めくりまくって行ってやる!!!
こんな事して行ける訳ねぇだろ!?現実をみろ!!
なんか一番あんたに言われたくないわ、その言葉…







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銀魂では時空でしたが、敢えての世界で!

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