「***」 「は、はいぃぃ!!」 「……これをエースに明日までにするように渡しといてくれ」 「わっ、わりかました!」
俺から書類を受け取ると走ってどこかへ行ってしまう2番隊隊員の***。 エースと歳も近く仲良くしている為、他の隊の隊長とも仲良くしているようだが……何故か俺にだけはあんな感じだ。
なんとなく理由は分かる…。多分俺が怖いんだろう。ただ名前を呼ぶだけでビクつきやがる。 が、ここでサッチみてぇに「怖がらなくて大丈夫だよ」だとか言うキャラでもねぇし、そもそも別に自分の隊員でもねぇんだから必要最低限しか話さねぇしこのままでも平気だ。
だが最近***が俺の目の前に現れる回数が増えた気がする。「エース隊長から書類を渡してくれと頼まれたので」や「エース隊長が呼んでいました」やら。ビクつきながら小さな声で話す***。
平気だと思ってはいるがこう目の前をチョロチョロされ、目が合う度にビクつかれるとイラッとするのが本音。しかもどんどん内容が下らねぇ事が増えてきた。
一言***に言ってやるか…
「***」 「は、はいっ…!」 「おめぇ……エースに下らねぇ事頼むなって言えねぇのか」 「え、あの…いや…その……」 「言えねぇのなら俺が……」
まただ。キョロキョロと目を泳がす***。 やっと目が合った時には半泣き気味で顔を赤くしてやがる。 気が付いた時には凄い勢い礼をし出す***の迫力に少し驚く
「大丈夫です!すいません、失礼しますっ」
いつもより大きくハッキリした声で言う***に普段とのギャップを感じ関心していると、すぐにどこかに走り去っていく。
普通に喋れるじゃねぇか。 オドオドしてない***に関心していたせいで半泣きだった事を忘れてコーヒーでも飲もうかと食堂へと向かう。 甲板を歩きながら少し肌寒さを感じていると親父のマークがデカデカと書かれているエースの背中が見えた。
あんな隅で座り込んで何してやがんだ、あいつ いつもなら甲板だろうがどこだろうが大の字になって寝てるエースが隅で、しかも小さくなって座っているのに不思議に思い近付くと誰かと話してるようだ。
「おいエース、な「お前なー、ガッツ見せろよ!何の為に俺の名前使わせてると思ってんだよ」 「そんな事言ったってさあ…」
***…? エースの声と一緒に***の声も聞こえた。奴等が2人で話しているのは日常茶飯事だから何とも思わねぇから通り過ぎようかとした時エースの口から俺の名前が出た。 思わず隠れて聞き耳を立てる。……いや、何いい年してこんな事してんだ…… 我に戻りさっさとコーヒーでも飲もうと通り過ぎる時***の言葉にまた隠れてしまった。
「だってマルコ隊長かっこよすぎて普通に喋れない!」 「つっても相手はオッさんだぜ?」 「エースは分かってないなあ!あの渋さ、落ち着きが堪らないんだよ!!」 「ただのオッさんだけどな」
その後ギャーギャー騒ぐ末っ子達に、たくちったあ仕事しろよと思いながらも口元が緩んでる自分に、つくづく甘いなと感じながら食堂へと向かった。
- 態度と甘さは反比例 -
あ、あのマルコ隊長!エースが、その…… ………なんだよい (どうしよう、エースに何でもいいから行けって言われたけど話すキッカケがなくなってきた…) ………***もコーヒー飲むか? …!はい!飲みますっ!!
(マルコ隊長とコーヒー……幸せー…!) (俺もつくづく甘いな…)
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