1周年感謝企画 | ナノ



うちのキャプテンは頭も良く、強くて、海賊王になる器があると思う。しかも長身でモテてる。けど俺様で自分の意見が通らないと暴れまくって私とペンギンがいつもそれをなだめて、苦労ばかりかけられてるのにいつもけなされる…。


いや、途中から愚痴になってるのはご愛嬌という事で…。そんな不憫な私がキャプテンに勝てる時が来たみたいだ。



ある日の昼過ぎベポと甲板で日向ぼっこをしているとキャプテンの部屋からボンッと小さめだが爆発音が。ベポと慌てて音のした方へ向かうと、既にペンギンとシャチが居た。


「今の爆発音キャプテンの部屋からだよね!?」
「………………」
「***とお昼寝してたからビックリしたよ!」
「まあ、小さめで良かったね!……って何で2人共黙ってんの?」


私とベポの話に加わる事もなく少し焦っている様子の2人。
不思議に思って居ると「まさか」と思いキャプテンの部屋のドアを開けた。まさかさっきの爆発で…キャプテン死んで……
2人が何も言わないから変に考えてしまう。


「キャプテン!!!」
「……何度ノックしろと言ったら分かるんだおめぇは」
「……………え、誰?」


ドアを開けると不機嫌そうな顔でこちらを見ている女性が居た。ベリーショートの少し目付きが悪いスレンダーな美人さん。キャ、キャプテン女の人連れ込んでた!?


「す、すいません!失礼します!!」
「おい、待て。」


美人さんから引き止められ思わずビックリする。
ベポを始めペンギンとシャチも只ならぬ雰囲気の私達を見ている。てか助けてよ!この美人さん目付き悪いせいか凄く迫力が……


ビビリながらも手招きしてくる美人さんに近寄る。
まさかキャプテンの女とか変な勘違いされてボコられたり…
少しでもそう思うとマイナス思考が止まらなくなる。美人さんに一歩一歩近付くにつれ変な汗が。


美人さんの目の前まで来た時、美人さんの手が振り下ろされた。
な、殴られるっ!!思わず目を瞑り早口で抵抗をする。


「あ、あの私ただのクルーで「***、お前の服貸せ」…へ?」


私の目の前で手を差し出しながら、そんな事を言う美人さん。何で初対面の人が私の名前知ってるんだろ。私を始めペンギン達も思ってたみたいで首を傾げる。


「……俺のクルー達はこんなにも察しの悪りぃアホ共だったとはな」
「俺のクルー…?……え、キャプテン!?」
「じゃなきゃ俺の部屋に居ねぇだろ。アホ共」


そい言ってため息を吐く美人さん……。
い、言われてみればキャプテンに似ているような…
そんな事を考えていると「さっさとお前の服持って来い」と怒られた為急いで取りに行く。


とりあえず服の山の天辺にあった服を持ってきたが、直ぐに後悔をした。キャミソールのワンピース。なぜ後悔をしたかと言うと、自分で言うのはアレだか私は胸がデカイ方だ。だが、今のキャプテンはスレンダーだ。


「なんか……ごめんなさい」
「キャプテン***と違ってスッカスカだね!」
「………………」
「馬鹿野郎!余計な事を言うなベポ!」
「キャ、キャプテン似合ってますよ…?」


ベポ以外冷や汗をかきながら答えるもののキャプテンは黙ったまま。それが余計恐ろしくて仕方がない。
けど……なんかキャプテンに勝った気分…。
思わず嬉しくてフフと笑うとキャプテンがバッチリ聞いていたようだ。


「何笑ってんだ」
「え!?いやー…なんだかキャプテンに勝った気が…」
「ただ胸のデカさだけだろ?」


ニヤリと勝ち誇ったように言うキャプテンに思わずカチンときた。


「ひ、貧乳よりかはモテるもん!!今はキャプテンよりモテる気がする!!」
「………普段全くモテねぇ奴が良く言うな」
「うっ」


そう、昔から全くモテない。
最近じゃあ海賊だからだろうか。声をかけてきたと思ったら直ぐに逃げて行く男性方……。うぅと落ち込んで居る私にキャプテンが笑いながらこんな事をいうもんだもん。なんかズルいよ。


「まあ、***に変な男が近付かねぇようにしてるからな。お前はずっと俺の側に居ろ」
「………はい」


出来れば元の姿の時に言って欲しかったな……



- なんかズルい -


てか何でキャプテン女の子になったの?
……薬を調合してたらミスッた…
キャプテンっておっちょこちょいだね!!


(ベポ……あのキャプテンにズカズカと凄いな…)


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