1周年感謝企画 | ナノ



「今日から白ひげ海賊団のクルーになるシェリーです。特技は潜入、よろしくお願いします」


そう言って軽く礼をして話す女。
顔を上げれば誰が見ても綺麗だと思う容姿をしていた。その容姿にサッチを始めクルー達が騒ぎ出す。


「こんな美人が新クルー!?今日は盛大に宴しねぇとなあ!」


サッチの言葉に雄叫びに近い返事をするクルー達。
たく、どんだけ女に飢えてんだ。呆れて自分の部屋へ書類の整理でもしようとその場を離れようとした時さっきの女が話しかけてきた。


「一番隊…隊長、マルコ隊長ですよね?」
「………ああ、そうだよい」
「親父様から貴方の隊へ入れと言われてるの。よろしくお願いしますね」
「仕事をしてくれる奴だったら俺は文句ねぇよい。」


俺の言葉にクスクスと笑う女…シェリーはすぐに船に馴染んだ。けど俺は中々心を許せなかったと言うか……何か隠しているような気がして少し距離を置きつつ様子を見ていた。
そんなある日いきなり電伝虫が鳴り出した。


『***が賞金首になっちまったからモビーに帰るわ』


いきなり連絡をよこしたかと思うとサラッと要件だけ伝えて電伝虫を切る弟。バカップルが帰ってくるか……また騒がしくなるな、と思いつつ書類を進めた。


案の定帰ってきた途端騒がしくなるモビー。
けどあいつ等が帰ってきただけでモビーの中も活気ついていた。エースと***もすぐシェリーと馴染み、***とは殆んど一緒に過ごしていていた。


けどそんなある日、シェリーに片付けて欲しい書類を伝え甲板に出て外の空気でも吸おうかと伸びをしていると***の姿があった。何だか考え事をしているようだった。


………珍しく悩み事か?


たまには聞いてやるかと近付くと下らねぇ歌を歌っていたので思わずエース達のように殴りそうになるのを、何とか我慢し***に声をかけた。


どこか無理をしながら話す***に、何を考えていたか聞くとどうやら痴話喧嘩のようだ。ただの痴話喧嘩ならいいが……エースの行動を聞き驚いていると***がそんな俺の態度に耐えれなかったのかシェリーを探し出した。シェリーの元へ行こうとする***に思わず声をかける


「あの女は……少し警戒しとけよい」


俺の言葉に不思議がる***に俺はそれだけを言ってその場を離れた。
たまたまだといいが……あの女が来てからじゃねぇか…?あいつ等がこんな喧嘩するなんて……
隊長がクルーを疑うなんて隊長失格だな、と思いつつ自分の部屋に戻った。仕事のし過ぎだな…余計な事を考えないよう部屋に戻るなりベットへ入り目を閉じた。


ハッと眼が覚めると自分が思っていたより寝ていてビックリしていると部屋の外がうるさい。声を聞くと***、エース、シェリーの声。
おいおい、とうとう言い合いか!?少し焦りつつも平然を装い「おめぇ等うっせぇよい!」と言うとエースが女みてぇな話し方で話し出した。


訳も分からずエース……の中に入っているらしいシェリーが自分の能力の話しをし出した。
イレイレの実な……潜入が特技ってのも納得だな。
ようやくシェリーが何かを隠しているだろうと思っていた“何か”を分かったつもりで居ると、どうやらこれはオマケに過ぎなかったようだ。


「私可愛い物や、可愛い子が大好きなのよっ」


そう言って何やら語り出すシェリー。
…………なんだそれ…。本当に隠していた“何か”をわかってようやくシェリーを警戒せずに見れるようにはなったがシェリーの趣味が分かった今、俺の苦労が1つ増えた気がした。


- 痴話喧嘩ならもう他所でしてくれ -


(エースとシェリーの***の取り合いが始まるって事じゃねぇか……より一層騒がしくなるな…。まあ、やっとシェリーも心の底から素を出しているようだからいいか……)

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