よく少女漫画で家庭教師の先生は幼なじみだったり、親が勝手に選んだけど先生がカッコ良かったり…結果的にはウハウハになったりする事が多い気がする。
私?私の場合は悪夢でしかないのです。
「この文法の場合は……」
私の横で少し面倒くさそうに説明をする先生は、幼なじみのロー。いや、確かに頭もよく教え方も上手く分かりやすくて有難い。有難いのは有難いが、1つ問題が。
「……***聞いてんのかお前」 「聞いてるよ!聞いてるけどさ……」
そう、その問題はさっきから鳴ってるローのスマフォ。マナーモードにしてくれてるみたいだが15分ごとに短いバイブ音が鳴る。
「……さっきから鳴ってるけど見なくていいの?」 「あ?……メールだろ。ほっとけ。急用なら電話よこすだろ」
さいですか、とつぶやきやなら教えて貰っだ通り文法を使う。うん、流石ローだな。さっきより分かった気がする。
それからも無愛想ながらも勉強を教えてくれるが、やはりバイブ音が止まらない。気にしないフリをしていたが、ポキッとシャーペンの芯が折れるのと同時に私の我慢をする気持ちも折れた。
「あーもうっ!うるさいっ!!」 「お前のがうるせぇだろ」 「違う!ローのスマフォ!!気が散るっ!!」
私の言葉に煽るかのように今度は長めのバイブ音が響く。「出たら?」と私が言うと舌打ちをしながらスマフォの画面を弄りながらダルそうに話すローの横で問題を解く。うん、さっきの応用問題か。途中まではスラスラと解けていたが、あと少しの所で答えにつまる。
あれ、こーゆー時は…… うーん、と考えていると後ろからスッと長い腕が伸びてくる。
「この単語だろうが」
スラスラと書かれる単語を見て、ああ!と思い出し続きを書き進める。するとそれからは何とか全問解く事が出来た。
「いっつもあの単語だけ忘れるんだよなあ」 「…それ覚えたらいいだけだろ」 「そうなんだけどさあ…」
分かってるんだけどなあっと考えながら次のページに進もうとした時「おい」とローの声が。
「***が全教科、クラス順位が10位以内だったらティズニーランド連れてってやるよ」 「え!ほんと!?」 「ああ。」
ローの言葉に俄然やる気が出てくる。 だってティズニーランド!ティズニー好きの私にはやる気を出させるには一番効く言葉だ。 けどその後のローの一言でなんとも言えない気持ちになる。
「まあ、それはオマケで俺の女にしてやるよ」 「……いえ、結構です…」
私が即答で答えると思いっきり頭をグリグリと拳骨を擦り付けてくる。
「ちょ、痛いっ!!」 「そこは喜ぶ所だろ、普通」
と、静かな怒りがおさまるまで時間がかかり結局この日の勉強は進まなかった。
- なんだかありがた迷惑 -
あー10位以下だとキスするからな。 は?なにそれ!!10位以内でも以下でも私にとっては悪夢なんですけどっ!自己中かっ!!
──────────────────── ティズニーランドはあれです。笑 某ランドです。笑
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