▽ 君が呼ぶ声が聞こえた
初めて見る私でも分かる。凄い怒っているエースが。
「何してるか聞いてるんだよ…」
「ひ、火拳…!!」
エースの顔を見た途端安心して涙が流れる
「***、ちょっと待ってろ…すぐ助ける」
指をポキポキ鳴らしながら近寄るエース
ほんとあっという間にやられた男。
勿論能力は使っていない
「大丈夫か?***?怪我してねぇか?」
声が出ず頷くのが精一杯な私。
そんな私を見るエースは少し悲しそうな顔をして私を撫でる。
一瞬ビクッとしてしまったがエースの手から温かさが伝わって来て気が抜けた。
「うぅ……怖かった……怖かったよぉ…」
ポロポロ涙が止まらない。すると全身が温かくなった。
「大丈夫だ***、俺が居る……これからは俺が守ってやる……」
その言葉に余計泣けてきて号泣した。
いつもは私がエースを抱き締める事があっても、エースが私を抱き締める事はない。
エースの言葉は“家族”としての意味だとも分かっている。
それでも今の私にとって十分過ぎる言葉だった。
---- AEC side
***の姿を見て腹が立った。
いつも笑顔で俺を追いかけ回す***の顔が泣きそうな顔でこっちを見ている。
服も前が破られたのかはだけている。
この男を殺してやろうかと思った。
まあ、瞬殺で倒した。
俺の問いかけに頷く事しか出来ないみたいだ。
いつも笑顔の***の泣きそうな顔を見て悲しくなった。
俺がもっと早く来てれば***は泣かなくてすんだかも知れない。
頭を撫でようとすると一瞬ビクッとした***。
けど「怖かったよぉ……」と泣き出す***を見て思わず抱き締めた。
「大丈夫だ***、俺が居る…これからは俺が守ってやる……」
言った俺自身がビックリしている。
“家族”としてだ“妹”としてだ。
そう自分に言い聞かせ俺の胸の中で泣く***を撫でる……
- 君が呼ぶ声が聞こえた -
エース!***は無事!?
おせぇよ、お前等
***ちゃん怪我してねぇか?
あぁ、今泣きつかれて寝たとこだ……
お前、よく***の場所すぐ分かったな?
湖の方しか言ってなかったのによい…
***が俺を呼ぶ声が聞こえたんだ……
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