それは一つのキセキ | ナノ

宣戦布告(緑間)


「あれ?真ちゃんなんかうずうずしてるー?」
「うるさいのだよ。高尾」
「ま、あんな試合見せられたらバスケしたくなるよなー」


最近はコイツがどういうふうに考えているのかが分かってきたつもりでいる


「おーなんかあそこにいる子かわいいなー」


前言撤回だ


「なにをわけの分からないことをいっているのだよ」


ついさっきまでバスケしたいといっていた奴が言う台詞じゃないのだよ


「なんかこっちみてない?あの子」
「なにを馬鹿なこ」


……なぜこんなところにお前がいるのだよ


「真ちゃーん?どうした?」


高尾が隣で不思議そうに俺を見ているがそんなことに構っている暇はない
俺の足は動き出していた


「お前、なにをしているのだよ」


俺は女の腕をつかんだ


「おー緑間くん。探す暇はぶけたやー」


「あり?真ちゃん知り合い?」
「緑間くんのチームの人…だよね?ちょっと緑間くん借りてもいい?」
「別に構わないすけど…」



高尾の答えを聞くなり白川は俺の腕を引っ張った







「白川、勝手に人の腕を引っ張るのは構わないがいろいろ答えてもらうことがあるぞ」
「あはは、ごめんごめん」


白川は手を離した


「白川今まで何処にいてなにをしていたのだよ。しかもこんなところに何の用事があったのだよ」
「うーん。宣戦布告?」


コイツは俺の質問に答える気はないのか


「ちょ、睨まないでよ。ちゃんと質問聞いてるよ!
私ね、テッちゃんと同じ高校に行って一緒にキセキの世代のみんなを倒そうかなーって思ってて、それでみんなのところに挨拶周りしようと思っ「なぜ黒子と同じところである必要があるのだよ。」
「ん?」
「別に誰のところにいってもどうせ戦うことになる。黒子にこだわる必要などないだろう。」


白川は俺の言葉を聞いて何かを考えだした


「確かに、誰のところにいっても変わらないかもしれないけどさ、秋田とか京都とか神奈川とか行きたくないじゃん?」
「…そんな理由なのか」
「他に何か?」


そうだ、こいつはこういうやつだったのだよ。


「今の主張から行くと秀徳や桐皇でもいいということだろう」
「いやいや無理無理」
「なにが無理なのだよ」
「ちょ、私の頭のレベル分かってるの!?」


…そうだったのだよ。
青峰と同じくらいコイツは頭が悪かったのだよ


「それで誠凛にいくのか」
「うん。だから真太郎とは敵だね」


敵…か。


「ふん、お前が誠凛に加わったとしても俺はもう二度と負けたりはしない」
「んじゃ、返り討ちにさせてもらうね?」


誠凛に白川が加わることになるとはな…


「話はおわりか」
「うん」
「だとしたら俺は帰らせてもらう」


こんなところで話している暇などないのだよ。
すぐにでも練習をしなければ


「緑間くーんまたねー」


後ろから聞こえる声に俺は手を上げて答えた












(「だからって今から練習しなくたって」「そんなことをいっている場合じゃないのだよ。白川が加わったら大変なことになるのだよ」「その白川さんって人、誠凛に編入するのはいいけど、それまでなにしていた人なの?真ちゃんの彼女?」「……白川に今の今までなにをしていたのか聞くのを忘れていたのだよ。」「は?」「高尾会場に戻るのだよ」「ちょ、何言って、真ちゃん!?」)


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