04



イベントはまさに嵐のごとく終わった。




「二人もお疲れ様ー」

「お疲れ様でした」
「お疲れにゃー」


「いろいろ大変でしたが、無事終わりましたね。」
「それにしてもあの金髪の子よかったわねー」
「どこの子なのかしらー」





私とHAYATOはすぐに着替えて、イベント会場をあとにした。





「HAYATO!」


遊園地の外に出るとHAYATOのマネージャーが待っていた。


「おはようございます」
「ああ、天音さん、おはようございます」


私はHAYATOのマネージャーと軽く挨拶を済ませ、学園に戻った。
HAYATOはまだ仕事が残っているみたいだった。こんなことがあってからの仕事はきっと大変だろう……。














「響!」
「おー翔達も今からご飯か?」


私が夜ご飯を食べに食堂に向かうと途中で三人に出会った。
三人の身体はあの嵐のせいでまだ少し濡れていた


「響くんもどこかに出かけていたんですか?」
「あー、そんなかんじかなー。
春歌ちゃんは、今日楽しかったか?」


私が問い掛けると彼女は複雑そうな顔をした


「初めて、HAYATO様に会えて、嬉しかったんです。でも、」


これ以上は言いにくいのか春歌ちゃんは黙ってしまった。


「そういえば、天音さんという方を初めてみたんですけど、素敵でした!」


お、おう。私か!!!


「あー、事務所の先輩だもんなー!」
「演出も含めて、あれがアイドルなんだと感動しました!翔くんの気持ちがとても分かりました!」
「翔の気持ち?」
「翔ちゃん、天音ちゃんの大ファンなんですよー。今日も天音ちゃんを見るために会場にいたんですからー」
「そうなのか!?」


春歌ちゃんの付き添いで来ていたと思っていたけど、まさか私のファンだったとは!すごくうれしい!!


「ち、ちげーよ!別に、普通に好きなだけだよ!!」
「またまたー、部屋にCDとポスター沢山あるんですから、今更照れないでくださいー」
「え!?本当に!?」
「おま、那月そういうこと言うな!
つか、普通に天音はかわいいし、かっけーし、すげーし、皆好きだろ!!」


な、なんか、恥ずかしいな。面と向かって好きだとかかわいいとか言われると


「なるほどねーオチビちゃんは天音の大ファンなのかー」
「しかし、彼女は確かにすごいアイドルだ」
「俺も天音ちょー好きだよ!」


どこから現れたのかレンと聖川くんと一十木くんまで現れた。


「そ、そうか!」


いや、嬉しいよ!嬉しいんだけど、どっちかっていうと恥ずかしさが勝ってしまって……!


「皆さん天音さんが好きなんですねー。私も今度のCD買いたいです!」








それから、ご飯を食べている間ずっと天音の褒めちぎり大会は続いた。











「ふー……」


部屋に帰ってすぐにベッドに転がった。
ミニライブと言えど、久しぶりのあの感覚にまだ、興奮している。
目をつむると思い出されるのはファンの人達の私を呼ぶ声。


「……トキヤ大丈夫かな」


しかし、何よりも思い出されたのはHAYATOのパフォーマンスだった。
私に、何かできるわけではない。でも、少し前の、あの楽しそうだったHAYATOに戻らないか、そんなことを考えているうちに私は意識を飛ばした。





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