02


そういえば、昨日あの連絡のあと嶺ニ達が今日とりあえずデモを録ると言っていたなー。逐一報告してくれると言っていたけれど……。
私はポケットから携帯を出した。


「あ」


思った通り連絡が来ていた。


「今から録音するねー(*^^*)」


嶺ニのメールには写真も添付されていた。
タイプは違うけれどやはり4人は仲良しだなー。


「どうしたの?携帯見つめてにやにやしちゃって」
「うっさいなー」


一番面倒くさい奴につっこまれてしまった。そりゃ、微笑ましくもなるっての。いつも仲悪そうに見える4人が仲良しで写真撮っているんだから。


「まさか、恋人じゃないよね?」
「アイドルは恋愛禁止だぞ、ばかか」
「ですよねー」
「そうそう」


えっと、がんばってね……っと


「ふー……」


よし、これで後は嶺ニたちに任せて……


「蘭丸が寝たんだけど」


携帯をおこうとすると今度は藍からメールが来た。
そこにはいつものように蘭丸が寝ていた。


えっと、相変わらずだね、早く起こして作業してね……っと


もう一度電源を切ろうとすると今度はカミュから連絡が来ていた。



……なんなのこいつら。


「うるさいなーもう……」
「どうした?携帯見つめて」
「あー、いや、特には。知り合いがやたらメール送ってくるからめんどくさいなーって。まあ、もう返事しない」


というか、画面ばかり見すぎてちょっと頭が痛くなってきた。バスに乗ると普段は車酔いしないんだけど、しやすくなるっていうもんなー。それに画面の文字を揺れながら見るってのはどうにも気持ちが悪い。


「翔ー」
「ん?」
「酔った」
「お?」
「肩貸してくれ」


私は翔の方に少しだけ倒れこんだ。


「あ、いや、ちょ、響!?」
「寝る」
「は!?このま」「おやすみなさい」


本当は少しだけ翔を驚かせてあげようと思って寄りかかっていた。私が寄りかかると翔は一瞬目を見開いて何度か口をパクパクさせた。でも、私が起きないのを見て諦めたのか私の頭を撫でて「早く良くなるといいな」と小さい声でいった。
それがとても心地よくて、寝るつもりなんてなかったのに気づいたら眠っていたのだ。



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