03

「おはよー……ってまだ誰も来てないのか」



今日は皆一つ前に仕事が入っているって言っていたもんな。
時間にまだ余裕があるので、私はQUARTET NIGHTの曲作りをするために、紙とペンをかばんから出した。


「新曲かー。」


四人の曲の作曲はこの間しっかりと終わらせた。あとは、歌詞入れとパート分けとレコーディングだ。今日はそれの打ち合わせと、以前、決めたペアの曲が手詰まっているので、アトバイスを請いにきた。

ペアは嶺二と蘭丸。藍とカミュだ。
四人とも個性が強いせいもあり、どうしたらいいか今、迷っている。どちらかに寄せてつくるのは簡単だが、ユニットだから、そうも言っていられない。


「ふわー!わからん!!」


私はペンを置き、机に伏した











□□□



「おはようござい……」


僕が部屋に入ると嶺二が僕の方を向いて「シー……」と言った。
机に伏せている天音に気を遣っての行動みたいだ。


「寝てるの?」
「みたいだね」
「ふーん……」



この間放送された番組で天音は学校に通っていると言っていた。学校に通いながらアイドル活動をするのは大変なことなのだろう。でなければ彼女が蘭丸のように所構わず寝るわけがない。


「とりあえずミューちゃんが来るまではそっとしておこう?蘭ちゃんも寝てるし、」


嶺二が指した方を見るといつものように蘭丸が器用に寝ていた。




「別にいいよ」

















数分後、カミュも部屋に現れた。嶺二が先に蘭丸を起こし、あとは天音を起こすだけになった。



「なんだか、気がひけちゃうね、こんなにぐっすり寝てる子を起こすなんて」
「てめえ、俺の時は容赦なく起こしただろうが」
「あれ?そうだったっけ?」


「なに?嶺二が起こさないなら僕が起こす?」
「アイアイはこんなによく寝ている子を容赦なく起こすの?」
「そうじゃないと打ち合わせを始められないでしょ」




カミュも早く起こせと僕を睨んでいる。
僕は天音の肩を叩いた


「天音そろそろ仕事をはじめたいんだけど……」
「んー……、翔……今起きるー……」




空気が凍るとはこういうことを言うんだと思う。
天音の口から知らない男の名前が出た瞬間、この場にいる全員の表情が変わり、一気に空気が凍った。もちろんその中には僕も含まれている



「天音早く起きなよ、理由はあとで聞くから」


今度は彼女を先ほどよりも強く揺すった













□□□


「んー……?」


目を開けると目の前には藍がいた。
なんで藍が目の前にいるんだ……?



「天音起きた?」




頭を起こすとそこには藍だけでなく、嶺二と蘭丸それにカミュもいた。


「……ん?」



なんでこんなとこに皆がい






「うわあああああ、ご、ごめんなさいいいいいいい」


忘れてた、忘れてた!!今日、QUARTET NIGHTの打ち合わせで、曲を作ろうと思ってたらそのまま寝ちゃったんだ!!



「あはは、大丈夫だよ、ついさっき皆揃ったばかりだし。」
「疲れているのだろう、気にするな。」
「俺もさっきまで寝ていたしな」
「天音の寝顔見れたし別にいいよ」



……な、なんで皆こんなに優しいの?え。



















「それよりさー、「「「翔って誰?」」」」











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