02

「これだけ人がいると緊張するねー」
「天音ちゃんも緊張するのかにゃー?」
「そりゃ、ライブはいつになっても緊張するもんでしょ」


「天音さん準備できました!」
「はーい、今いきます!
んじゃま、HAYATOのために先に会場あたためておくから、しっかり見ててね!」









「それでは、出ていただきましょう、今度CDをリリースする天音さんです」








□□□




「キャアアアアアア」
「天音ー!!」
「かわいいー!!!」
「うおおおおおお!!!」


「皆ー!今日は来てくれてありがとー!」


「すっげー、生の天音だ……。」
「有名な人なんですか?」
「そっか、お前世間とちょっとズレてるんだったか」


今日はHAYATO様のライブにきたのですが、遊園地で行われるイベントはHAYATO様だけではありません。今ステージに立っている天音さんの次にHAYATO様のステージがあり、最後にはピヨちゃんのイベントもあるみたいです。
四ノ宮さんと来栖くんはピヨちゃんのイベントに来たみたいなんです。
私も天音さんが目当てというわけではないのですが、ステージに上がっただけでのこの歓声……。すごいです。


「天音はシャイニング事務所所属のアイドルだ。」
「日向先生や林檎先生とは同期なんですよー」
「そうなんですか?」
「天音は作詞も作曲も自分でしててさ、本当にスゲーよな」
「翔くん、天音さんが好きなんですか?」


翔くんが天音さんの話をする様子は日向先生のことを話すときにとても似ているように見えた


「翔ちゃんが今日僕についてきてくれたのは、実は天音ちゃんのステージを見たかったからなんですよー。翔ちゃん、天音ちゃんの大ファンなんです!」
「そうなんですかー!」
「だから、何回も言っているけど、俺はお前が迷わないか心配でついて来ただけであって……!!」


翔くんがそれだけ大好きなアイドル……。気になります!




「えへへー!じゃあ、早速新しい曲聞いてもらおうかなー」


「うおおおおおお!!!」


「聞いてください、」





……。
これが、プロのアイドル……。
声の届き方が全然違う。歌詞もすっと心に響いて、何より曲が素敵。私には考えられないような曲。
そして、演出の仕方。
この会場に来ている人達は全員が天音さんのファンではないはずなのに、引き込まれて、皆笑顔になっていった。



「すごい……」
「本当ですね……」
「これが、プロ……」



私だけじゃなく、翔くんも四ノ宮くんも天音さんのステージに驚きを隠せないようだった。








曲が終わるとすぐに歓声と拍手が上がった




「えへへーどうだったかな?」


「すごかったー」
「かっこよかったー」
「天音ー!!!」


「ありがとうー!
今回のこの曲は時間のないなか、一生懸命作りました。皆も知っていると思うんだけど、今、私は学校に通っていて、本当に毎日が楽しいんです。そんな楽しい気持ちをいっぱいつめた曲です。少しでも皆に楽しい気持ちが伝わったら嬉しいなー!」


「届いたよー!」
「楽しかったー!」


「ありがとう!この曲は二週間後に発売のCDに入っているので、よかったら買ってください!じゃあ、次の……」





そこから天音さんは二曲続けて歌った。
今日聞いた三曲とも、全然違っていて、どの曲も素敵だった。






「今日は皆ありがとー!」

「ありがとおおおお」


「私が曲を提供しているQUARTET NIGHTもよかったら応援してくださいー!
じゃあ、次は皆お待ちかね、HAYATOのステージだよー!楽しんでねー!」


いつまでも鳴り止まない歓声のなか、天音さんはステージを降りた。




「次のステージの準備がありますので、そのままの場所でお待ちください」




「本当にスゲーよな、天音」
「はい、初めて曲を聞いたんですけど、本当にすごくて、」
「言葉にできないってこういうことを言うんですね。」


「俺達も頑張らなきゃな……」
「「はい」」




これからの学園生活に影響を与える素敵なアイドルに出会えて本当によかったです!
次のHAYATO様のステージも本当に楽しみになりました!



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