01


今日はHAYATOと私の新曲発表会が行われる。
曲も完成し、ステージでの演出も考えた。
時間が足りないため少し授業を休んでしまったが、大目に見てもらいたい。


どうせ同じ場所に行くのなら学園から一緒に行こうと思っていたのだが、HAYATOがどこにいるのかが分からない。
やみくもに学園を探していても仕方がない。一人で行くかー……。


「響くん、おはよう」
「あ、春歌ちゃんおはよう」


廊下を歩いていると春歌ちゃんと出会った。


「あれ?私服?」


今日の春歌ちゃんは見慣れている制服姿ではなかった。


「はい!」
「春歌ちゃんが私服着ているの初めて見たけど、かわいいね」
「あ、ありがとうございます」


ただ思ったことを伝えただけなのだが、春歌ちゃんの顔が赤くなってしまい、こちらも緊張してしまった。


「どこかにお出かけ?」
「はい!実は、今日HAYATO様のライブがあって、そこに今から行くんです!」
「一人で?大丈夫か?」
「……響くんまで!」


どうやら私に会うまでにもいろいろな人に大丈夫かと心配されたみたいだ。
それにしても、春歌ちゃんがいるんだったら、頑張らないとだな!


「あはは、悪い悪い。無事着くように祈ってるよ」
「HAYATO様に会うためなんで、絶対に迷いません!」


これだけ応援してくれるファンがいるなんてHAYATOも幸せ者だなー。


「そういや、トキヤ見なかったか?」
「一ノ瀬さんなら先ほどあちらで見かけましたよ?」
「お!?まじで?じゃあな、春歌ちゃん!ライブ楽しめよ!」
「はい!」


春歌ちゃんからHAYATOの居場所を教えてもらい、私はそこまで走った。











「HAYA、トキヤー!」


よかった、まだ学校にいたみたいだ。


「……うるさいですよ」
「えー、ひどーい。
どうせ行くところは一緒なんだし、一緒に行かない?」
「断ってもついてくるんでしょう……」
「なに、その面倒臭そうな反応」
「……行くんなら早くいきますよ」
「はーい!」


先を歩くHAYATOを私は追いかけた
後ろから追っているとき、HAYATOが左足を引きずっているのがわかった。


「足、どうしたの?」
「大丈夫ですよ。」
「大丈夫じゃないんじゃない?歩くのにも支障があるんだったら」
「貴女には関係ありません。私は今日のライブにかけているんです。」


HAYATOにきつく言われてしまい、私は言い返すことができなかった。
今日のライブにかけている……か。














「おー、遊園地だけあって、すごい人だねー!」
「そうだにゃー」


私とHAYATOは既に準備万端である。




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