08


はー、打ち合わせ終わったー!長かったー!!
さーって、着替えて寮に戻るかー。








「ふーんふんふーんふーーん♪」


蘭丸の曲を考えながら私は学園に戻った。



へーこの学園、池なんてあるのかー。
……あれ?春歌ちゃんとHAYATO……じゃなくて。一ノ瀬くん??



「あ、あの、ファンなんです。まさか、この学校でHAYATO様に会えるなんて!「私は一ノ瀬トキヤです。HAYATOなんて薄っぺらでつまらない人間と一緒にしないでください。」
「え?だって、HAYATO様でしょ?」


ひえー勢いで隠れちゃったよー。でも、私もそれ思っていた。完全にあの人HAYATOじゃん。






「オーノー!違いマース!」


どこからか声が聞こえてきた。


「ハハハハハ!!それはちゃいまーす!」
「って学園長、いつからそこに?」
「ミーはずっとここにいましたよー!」
「た、立ち聞きですか?」
「そーうともいうかもー彼はHAYATOではありまセーン!
彼はHAYATOの双子の弟、一ノ瀬トキヤなのナノ。」
「双子の弟?確かに声は違うけど、HAYATO様と同じ響き」
「一卵性の双子だからしてーなんの不思議もあーりませんねー」


HAYATOに双子がいるなんて話聞いたことないっての。ますます怪しい……。


「不愉快なんですよ。あんな軽薄なアイドルと間違われるのは」「HAYATO様は軽薄なんかじゃありません!!!それに、双子のお兄ちゃんなんでしょ?兄弟のことをそんなふうに言うなんてよくないです。」


へー春歌ちゃんHAYATOのファンなんだー意外だな。


「なんでもいいですけどーー、そろそろお部屋戻ったらどうデスカー?」


社長に言われ春歌ちゃんは「すいませんでした。」と言って、寮へ帰っていた。


うっかりのぞき見なんて悪趣味なことしちゃったけど、社長はこんなとこでなにしていたんだ?





「早乙女さん……」
「イエース、分かっていまーす。ユーは安心して生活してクダサーイ」




……。内緒の話か……?


「盗み聞きはよくなーいデスヨー?」


社長は私が隠れているのに気づいたのか、話かけてきた。


「あはは、盗み聞きってわけじゃねぇんだけど、悪かったな。一ノ瀬くん。」


ひえー、社長。気づいていても話しかけないでくださいよ。
一ノ瀬くんは私の方を見て一瞬睨んだ。


「えーっと、別に誰にも言わないよ?一ノ瀬くんが社長と内緒の話していたことは……」
「社長……ですか。」
「へ?」
「いえ、なんでもありません。先に失礼します、"響さん"」


……ん?なんだったんだ!?


「Ms.天音ー。盗み聞きは悪趣味デスヨー」
「いや、なんも聞いてないですよ。てか、HAYATOに弟いたなんて初めて聞ききました。」
「あれは、嘘デース!彼は正真正銘HAYATOデース!!」
「へ?」
「そして、ユーがMs.天音であることバレっちゃったみたいデース。一枚脱ぐこと決定デース!!!」
「へ、え、はあ!?え、なんで!?」


な、なんでだ。私なんかした!?てか、嘘!?なんでHAYATOが嘘ついて一ノ瀬くんとして学園に通っていて。ていうか、HAYATOってうちの事務所じゃなくね?なんでいんの!?え、はあ!?


「ミーはユーの社長じゃないデース!オーケー?Mr.響?」
「お、オーケーです。」


社長を社長って呼んだことでバレっちゃったの!?


「Mr.一ノ瀬もユーが天音であることを知っちゃったんですから、ユーもMr.一ノ瀬がHAYATOであることを知っても大丈夫デース!」
「な、なるほど」
「誰にも言っちゃだめですよー?」
「は、はい!わかりました!」


「オーケー、オーケー。
ところで夜遅くまで大変デシタネー、」
「あ、いえ、楽しかったんで……
あ!あの、これQUARTET NIGHTの次のシングルの企画なんですけど」
「ほー……」


社長は先ほどできたばかりの資料に目を通した


「ど、どうですか?」




「面白そうデスネー!オーケー、やっちゃってくーださい!」
「あ、ありがとうございます!」
「それではMr.響お部屋に戻ってゆっくり休んでクダサーイ」
「あ、はい。ありがとうございました!!」





私は自分の部屋へと戻った。






それにしても入学式早々、天音であることがバレるなんて……。この先大丈夫かなー……。
それにHAYATO。もうアイドルなのになんでこの学園に通う必要が……?それに、自分のことを軽薄なアイドルなんて言うなんて……。






あー!!もう!!考えても分からん!!とりあえず蘭丸の曲でも作ろう。


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