06


なんとか、ホームルームは終わった。



龍也にはなんとかばれなかったみたいだった。ほっとしたらお腹が空いてきた。昼飯、昼飯っとー
ん?あの子……。


昼食を買う列に、見覚えのある女の子がいた。入学試験のときに一緒に会場に向かったあの女の子だ


へー合格していたんだ……。持っているのは運だけじゃないってことか……。って何もないとこで躓いて……あーもう!

私はこけそうになる彼女を支えた。


「大丈夫か?」
「セーフ」


元気いっぱいな帽子くんじゃなくて来栖くんがどうやら彼女のカードを拾いあげたようだ


「あ、あのすいません……」


彼女は私に頭を下げた。


「ほらよ、」
「ありがとうございます。」


来栖くんからカードをもらい彼女は感謝の言葉を述べた。そして、私の顔を見て、目を見開いた


「あ、あの時も本当にありがとうございました!!!」
「あはは、そんな気にし
「困るなーオチビちゃん達」
「オチビ!?」


……私も入っているのか。


「そのレディは先に俺が目をつけたんだ。」
「レン!!俺の名前はオチビじゃねえ!来栖翔だ!!!」


「あの、受験のときはありがとうございました!」


神宮寺くんを見て女の子はまた頭を下げた。


「また、会えるとは運命だね」


神宮寺くんは彼女に顔を近づけ、女の子が喜びそうな言葉を述べた。






「相変わらず軽いやつだな。」


どこからか声がして振り返ると青い髪の男がいた。


「そっちは相変わらず固いなー」


……あー!思い出した!!!あれだ、聖川財閥と神宮寺財閥の御曹司だ!二人が並んでやっと思い出せた……!どっかで見たことあると思ったら、まさか有名人だったなんて。


「聖川財閥の長男がAクラスとはな」
「これから実力で逆転させてもらう。」
「ふん、楽しみにしてるぜ」


なんでも神宮寺財閥と聖川財閥は仲が悪いらしい。財閥同士だとそういうのがあるんだな。


神宮寺くんと聖川くんは去って行った。





「そういえば、お名前なんていうの?」
「七海春歌って言います。」
「春歌……。いい名前だね」


なるほど、春歌ちゃんね。よし、覚えた


「え、あ、ありがとうございます」
「ちょっと?うちの春歌に手出さないでくれる?」


春歌ちゃんの隣にいた女の子が間に入ってきた。春歌ちゃんとは真逆だけど中々にかわいらしい女の子だ。


「あはは、ごめんごめん。俺は響。入学試験のとき、春歌ちゃんと一緒に会場に向かっていて、名前聞くのを忘れていたから。
君の名前は?」
「私は渋谷友千香。春歌とは同じクラスでルームメイトよ」
「おっけ、友千香ちゃんだね。よろしく。」
「よろしく。別にいいんだけど、いきなり名前呼びなんて馴れ馴れしいんじゃない?」


……あー、そっか私男だったっけ?うーん。


「気を悪くしたんだったらごめんね?」
「別にいいけど」
「じゃあ春歌ちゃんも友千香ちゃんもよろしくな。」


私は彼女達と別れて昼食を一人で取った






今日は午前中で学校は終わり!というわけで今から仕事の打ち合わせがある。


私は一度自分の寮に戻り、学園を後にした。




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