04


あの試験の一週間後、私の下に合格通知が届いた。

アイドル科

貴方がこの度の早乙女学園入学試験に合格したことをここに通知します。


いやー、現役アイドルが落ちたらどうしようと思っていたけれど大丈夫だったみたいだ。
社長の言ったとおり早乙女学園に入学することが決まった私だが、問題点も上がった。

まず、早乙女学園が全寮制であること。今、私が住んでいる部屋から出て行かなければならない。その寮だが、全員必ず、ルームメイトがいるらしい。しかし、そこは社長の計らいにより私は一人部屋となった。
二つ目はアイドル活動を積極的に行えなくなること。いくら両立するといっても土日と平日の早朝と夜以外は仕事が入れられなくなる。こればかりは仕方がない。課題もあるらしく今から両立できるか怪しい。仕事を優先的に行えなくなると、ファンが減るかもしれない。そこだけはしっかりしなければならない。
そして、男装。私は早乙女学園に通う間18歳の男子学生響として、生活しなければならない。私が天音であることは絶対に他人にバレてはいけない。


細かいことはまだまだあるが、ざっとこんなところだろう。
とりあえず男性ぽく振る舞うことは、できるようになってきた。伊達に長年アイドルしてない。
仕事も、書けるだけ曲のストックを作っておいたし、急な以来がきても多分、大丈夫。
うん、案外私、いけるかもしれない!
















私……いや、俺、響は今日から無事早乙女学園の学生だ!
クラスも、もちろん1番上のSクラス!さっすが俺だぜ!!




「ひえー、でっか」


この学園、こんなでかいのか……。


なんていうか、流石社長としか言えない。そして、人が多い!!こんなに学生いんの?

入学式は確か屋外で行われるんだったな……。











「それでは、これより、早乙女学園入学式を行います。学園長式辞」


あー、嫌な予感。あの司会の人、キョロキョロしてるよ。全く、社長どっからでてくるつもりなんだ?


「はははは!愛を知らぬものは語るなー!!!この場を去れーい!」


変な格好をした社長が建物の上に現れた。周りの学生は動揺しているみたいだ。ま、普通はそうだよなー。


「ハートの鼓動こそ音楽の原子なりいいいい」


社長は話をしながら建物から飛び下りた。何人かが悲鳴をあげていたが、ワイヤーがあることに気づき、場は落ち着いた。


「イエース諸君!ミーがここの学園長、シャイニング早乙女デース。この早乙女学園、いや、シャイニングワールドへウェルカム。」


あの距離飛びおりるなんてさすが社長。マント等を外し、社長はダンスをし始めた。あの年齢、あの身体でよくあんなに動けるよな。伝説のアイドル様はすごいなー……。


「音楽、それはラブー。いざ、魂を鎮座せよ!各が全霊を歌にこめよ!」


そう言って、新入生の頭の上を飛んでいった。


「入学おめでとうー!センキュー」








なんというか、社長を改めて尊敬するいい機会だった。






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