「全員出かける?」 ある朝突然ペインに言われた言葉をアリスは復唱した。 メンバー達を見てみれば全員が装束をまとい、出かける用意は出来上がっている。 「・・・わたくし一人でここに残れと」 「済まない。少し用事があってな」 「全員で、ね・・・」 訝しげなアリスだが、数秒おいて小さく息を吐いた。どうやら了承したらしい。 「アリス、俺達がいない間、留守は頼んだぞ」 「分かりました、お兄様。お気をつけて行ってらっしゃいませ」 イタチがアリスの頭を撫でて他のメンバー達と共に出ていく。 それを見送ったアリスは自分の部屋へ戻った。 ────────── ──────── ────── 「───さて」 アジトから十分に離れたところでペインが口を開いた。 「昨日も言ったが、アリスの実力測定を行う」 方法としては、暁の情報を集めている別組織の忍をアジト内に侵入させ、アリスと戦わせるというものだ。 現在掴んでいる情報では十人ちょっとの忍が動いているはず。 ゼツは記録係。その他のメンバーは暁を探っている組織の殲滅。 アリスの戦闘力の把握と、敵組織を消すという二重の効果を狙っている。 「ゲハハ!久々に暴れるぜェ!」 「こっちは任せてよ」 「オ前等モ、シクジルナヨ」 「では、行動開始だ」 ペインの一言で全員が散る。 ゼツはアジトで一人留守をしているアリスの下へ戻っていった。
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