ふわりと、意識が浮上する。 目を開ければ蝋燭で照らされた薄暗い洞窟のような部屋。 どうやらベッドに寝かされているようだ。 気だるさの残る身体を起こして周囲を見渡した。 シンプル、というよりは殺風景と言った方がしっくりくる部屋を観察しながら、自分の身に起こったことを整理しようと頭を働かせる。 「あぁ・・・」 全てが繋がって“面倒なことになった”と溜め息を吐くと、見計らったかのようにドアが音を立てて開いた。 返事を待たずに開けて入ってきたその人は、目が合うと口角を上げる。 「気分はどうかしら」 かつて木ノ葉崩しというとんでもない厄介事を引き起こしてくれた彼に、顔を顰めて口を開いた。 「最悪よ」
[ back ] |