苦しみさえも愛おしく










女好きなのは仕方がない
それを一々咎める事はもしかしてあいつはうっとおしがってるんじゃないか






苦しみさえも愛おしく






「どうしたんだい?難しい顔をして」

「いや、別に」

「別にって顔じゃないよ?」




本人を目の前にこんな考えに浸るのは間違いだったと絳攸は内心で後悔した。
勘の良い楸瑛のことだ、自分のことを考えていると知っての質問だろう。
つまり




「君がそんな悩ましげな顔をしているなんて気になるだろう?」

「しつこい」




心の声が思わず口に出る。
楸瑛はわざとらしく傷ついた素振りをし、ごめんねと言って笑った。





「楸瑛。今後一切俺に甘ったるい言葉を言うなと言ったらできるか?」

「いきなりだね。」

「いいから答えろ」

「絶対無理だね。口が利けなくなっても文を送るよ」




なら、と絳攸が続ける
絳攸からの唐突の質問も楸瑛は嬉しそうだった。





「女を口説くことを一切文句言わないと言ってもか?」




ごくり、と絳攸の喉が鳴る。
不安が顔にでないよう、必死になっていたため気付かなかった
楸瑛の目が微かに細められたことを。





「君を口説けないなら、女性を口説く意味もないよ」

「どういう意味…っ」

「本気で言ってるのかい?」




壁に体を押さえつけられ、絳攸の呼吸が詰まる。
顔の横に手をつかれ、楸瑛の顔を見上げると一見いつもと変わらない表情で絳攸を見下ろしていた。
しかしその身から隠しきれない怒気があふれ、無意識に絳攸の体が震えた。
その様子に楸瑛は軽く息を吸い込み、気を落ち着けようとした。





「ねえ絳攸、私を試してる?それとも本気で言ってるのか?」

「お前が…」

「何?」

「お前が!嫌なんじゃ、ないか、…と……」




思わず怒鳴りかけた絳攸だが、はっと我に返り口を噤んだ。
見る見るうちに朱がさした絳攸を見て、楸瑛の機嫌はかなり直ったようだった。
今度こそいつもと変わりない声色で絳攸を追いつめ始める




「私が何を嫌なんだい?」

「わ、分かってて聞くな!」

「君の口から直接聞きたいんだよ」

「断る!」





結局そんな押し問答がその後しばらくの間続いていた。



少しくらい悩みがあった方が
幸せもきっと甘美なものになるから




END



>途中から眠たさに記憶がない…っ
でもどんなオチにするか覚えてないので
ごめんなさい寝ぼけた文章のまま…

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