「で、これが銀時だ」

「どぅもー」

「ああ、どうも」



小太郎に誇らしげに紹介された銀時は、とりあえず頭を下げた。
まあ、別に自己紹介なんてどうでもいい。
一緒に遊んで楽しければそれでいいのだから。




「晋助!河原に行こう」

「河原…?ああ、あそこか」

「そうだ。…銀時ー。早く来ないと置いていくぞっ」




いつも一緒にいた銀時を放ってさっさと高杉の手を引いて行く小太郎。
その姿に銀時は思わず苦笑を浮かべる
一目見た時から興味津津だという顔をしてはいたがこれほどとは。




「銀時ー!」

「今行くー」




それでも律儀な彼は銀時を置いてはいかなかった。
ぎゅうっと高杉の手を握ったまま振り返って名を呼ぶ小太郎に、銀時はゆっくりと近づいて行った。












3人は常に共に行動し、必然的に互いへの理解が深まっていった。





「晋助、これ知っているか?」

「三味線、だろ?」

「弾ける?」

「……無理だ…」

「銀時は?」

「無理に決まってんだろ」




ある時小太郎が持ってきたのは三味線だった。
当然見たことはあるのだが、みな一様に奏でたことはない。
おそるおそる小太郎が弦を弾くと小気味の良い音が響いた。




「…綺麗な音…」





小太郎がうっとりと呟く。
それを見た高杉が何かをおもいついたように立ち上がった。




「晋助?」

「ちょっと用事」




それだけ言い残しさっさとどこかへ行ってしまった高杉をぽかんとした顔で見送っていた。






お前の音が一番好きなんだ









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